ISO9001要求事項で求められるマネジメントレビューとは?ポイントを解説

ISO9001要求事項で求められるマネジメントレビューとは? ISO9001

ISO9001では、規格要求事項でマネジメントレビューの実施を要求しています。また、マネジメントレビューを行うために必要となるインプット及びマネジメントレビュー実施によるアウトプットについても、規格要求事項の中で明確に要求されています。

ISO事務局業務を担う方は、マネジメントレビュー実施状況が規格要求事項に適合しているかを監視する必要がありますが、マネジメントレビューについてしっかりと理解しチェックできているか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

マネジメントレビューは最低限1年に1回は必ず実施されるので、事務局業務を担う初期の段階でマネジメントレビューの在り方をしっかりと理解し取り組めば、それ以降の管理が非常に楽になります。

この記事ではマネジメントレビューの下記ポイントについてわかりやすくまとめています。

  • マネジメントレビューとはなにか
  • マネジメントレビューへのインプット項目とは?
  • マネジメントレビューからのアウトプット項目とは?
  • マネジメントレビュー実施により得られる期待効果

ISO事務局としてマネジメントレビューをしっかりと管理し、品質マネジメントシステム改善を進めていきたいと考えている方は、ぜひこの記事をご覧ください。

マネジメントレビューとは?

マネジメントレビューとは、組織の状況において変化する環境、意図する成果からの逸脱または有益な成果などの情報を分析し、評価した結果に基づき、トップマネジメント(経営層)が組織の品質マネジメントシステムをレビューし意思決定して、品質マネジメントシステムの変更、改善を指示する仕組みです。

規格要求事項では、あらかじめ定められた間隔で実施するように求めており、少なくとも年1回は実施する必要があります。

それでは、トップマネジメントがマネジメントレビューを実施するために必要となるインプット情報はどのような内容でしょうか。また、マネジメントレビューを経てどのようなアウトプット情報が発信されるのでしょうか。

これからマネジメントレビューへのインプット情報、そしてマネジメントレビューからのアウトプット情報を具体的に見ていきましょう。

マネジメントレビューへのインプット項目とは?

トップマネジメントがマネジメントレビューを実施するためには、多くの生の情報や分析評価された結果などが必要です。

それでは、どのような情報が正確にインプットされれば、会社によって有効なマネジメントレビューを行えるのでしょうか。これから、マネジメントレビュー実施に必要となるインプット情報は何かを解説していきます。

前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況

品質マネジメントシステムの継続的改善を図るために前回までにトップマネジメントが指示した事項に対して、どのように処置を行ったのか、その進捗状況と未解決事項の対応状況をまとめインプットします。この進捗については、最低でも半期に1回はインプットし、未達成になりそうな場合の修正指示などを仰ぐ必要があるでしょう。

品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化

会社の品質マネジメントシステムを維持改善するために、組織の関わる品質課題に向き合っていかなければなりません。その大きな要素として外部及び内部の課題があります。

外部課題の変化としては、市場状況の変化、顧客要求の変化、法令規制要求事項の変更などがあります。内部課題の変化としては、組織変更、新製品・サービスの導入、購買先や外部委託先の変更、設計変更、工程変更などがあります。市場や顧客動向に伴い、外部及び内部の課題にどのように対応し、その結果は満足のいくものであったか、あるいは問題が残ったかをまとめる必要があります。

利害関係者からのフィードバック

品質関連として、顧客、購買先、外部委託先そして従業員とその家族が利害関係者になります。その利害関係者から発信された苦情や賞賛については組織にとって貴重な意見であり、次期にはその問題点を反映する必要があるので、全ての情報を漏れなくインプットしなければなりません。

目標の達成度

期初に設定した品質目標に対して、最低限でも半期及び期末の達成度合いをインプット情報として報告します。目標未達成となる場合には、是正処置内容に対しトップマネジメントの指示を仰ぐ必要があります。

プロセスのパフォーマンス並びに製品及びサービスの適合

ISO9001ではプロセスアプローチによる品質マネジメントシステム活動を推奨しています。プロセスアプローチでは、各プロセスのPDCAが効果的に運用されていること、そしてプロセス同士が有効につながることを重要視しています。

よってインプット情報としては、各プロセスの運用結果、そしてプロセス間のつながりの有効性をまとめることが大切です。

不適合及び是正処置

顧客クレーム、顧客監査での不適合、製造中の不適合、購買先や外部委託先での不適合、そして内部監査での不適合に対しては必ず是正処置を講じ、対策が実施されています。その是正処置が妥当であったのか、妥当でない場合にすぐに是正処置内容を見直したか、そして有効であった処置について水平展開した状況をとりまとめます。

監査結果

内部監査結果は当然のこととして、顧客監査結果をトップマネジメントにもれなくインプットする必要があります。顧客監査の結果は顧客の生の声であり、特に不適合箇所は顧客不満足となっている品質マネジメントシステム項目になっているので、是正処置を確実に実施しなければなりません。是正処置については投資を必要とする事項もあるので、トップマネジメントには監査結果を確実に伝えることが大切です。

外部提供者のパフォーマンス

外部提供者とは購買先と外部委託先のことです。外部提供者の実績をQCDSの視点で評価し、これからの顧客要求に応えるためのQCDSを十分に備えているかを判断する材料としてインプットする必要があります。

資源の妥当性

期初に計画し実際に提供された資源を運用した結果、品質マネジメントシステム改善につながったかどうかをインプットする必要があります。資源の提供についてはトップマネジメントの重要な責任ですので、問題が発生していればその内容も含め、確実にインプットする必要があります。

リスクと機会に取り組むためにとった処置状況

ISO9001では規格要求事項としてリスク及び機会を洗い出すことが要求されているので、リスク及び機会を洗い出し、その分析結果から期の活動などを設定されているかと思います。それら活動について期待通りの結果が得られたか、その処置した状況をインプットする必要があります。

改善の機会

品質マネジメントシステムにおいて、不適合になっていないもののいずれ不適合になる可能性のある改善の機会が多数存在しています。

顧客満足度、顧客監査結果、内部監査結果、品質目標達成度などをしっかりと分析評価し、改善の機会を洗い出したうえでとりまとめ、トップマネジメントにインプットすることが大切です。

マネジメントレビューからのアウトプット項目とは?

トップマネジメントは、マネジメントレビューへのインプット情報を受け、トップマネジメント自らの視点との整合を取ります。そして、そのアウトプットとして改善すべき事項の処置を含め決定し指示します。

それでは、トップマネジメントがインプット情報を得て、マネジメントレビューからアウトプットする決定・処置事項とは何かを解説します。

改善の機会

マネジメントレビューは、トップマネジメントが品質マネジメントシステムのパフォーマンス向上のために改善すべきところがあるかを決定するにはよい機会です。トップマネジメントはインプット情報を分析し評価したうえで、改善を必要とする事項とその処置の時期を決定します。

品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性

品質マネジメントシステム仕組み全体を大きく変更できるのはトップマネジメントの権限です。しかし、変更したことにより改悪につながることもあり、大きな責任も抱えています。トップマネジメントは、マネジメントレビューへのインプット情報をレビューし品質マネジメントシステム全体を見て、改善するために変更する必要があるかを決定します。

資源の必要性

トップマネジメントは、マネジメントレビューへのインプット情報を分析したうえで品質マネジメントシステムの改善に必要と判断した事項に関して、その処置に資源が必要かを決定します。

マネジメントレビュー実施により得られる期待効果

顧客の満足

マネジメントレビューが適切に実施されると、品質マネジメントシステム改善のスパイラルアップ(好循環)につながります。品質マネジメントシステムが改善し続けている姿を見せることで顧客は安心し、また顧客に安定した製品及びサービスを提供できるので、十分な顧客満足を得ることができます。

そして、会社の品質マネジメントシステムが安定した結果、従業員満足(ES)も獲得することができ、重要な資源である「人」を定着させることができます。

このように、品質マネジメントシステム改善だけでなく、会社全体のマネジメントシステムを安定させるのに重要なのがマネジメントレビューといえます。

まとめ

この記事では、ISO9001活動で必須となるマネジメントレビューについて解説してきました。特にトップマネジメントが適切にマネジメントレビューするためには、インプットする情報源がいかに適切に分析評価されまとられていることが重要であるかを理解していただけたかと思います。

現市場は日々めまぐるしく変化し続けています。その変化に追従し続けていくためには、会社の品質マネジメントシステムを改善しスパイラルアップしなければなりません。

品質マネジメントシステム管理を担う方々は、トップマネジメントが判断するマネジメントレビューが会社維持発展を担う重要なイベントであることをしっかりと認識したうえで、マネジメントレビューに関わる重要なポジションにいて会社を支えているとの自負をもって、マネジメントレビューの管理をしっかりと行ってください。

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この記事を書いたライター
小一郎秀長

ISO9001(1994年度版)導入に続きISO14001(1996年度版)導入において、ISO事務局委員長として会社の認証取得に貢献。その後のISO改訂時には、後輩育成のためにISO事務局へのアドバイザーとしてサポート。
現在はISO9001/IATF16949の維持管理に従事中。
戦国時代をこよなく愛し、尊敬するのは豊臣秀長。連休は城址廻りでリフレッシュ。

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