ISO9001活動でプロセスアプローチを適切に運用する方法を徹底解説

ISO9001活動でプロセスアプローチを適切に運用する方法を徹底解説 ISO9001

ISO9001ではプロセスアプローチの運用を推奨していますが、ISO9001認証を取得していてもどのようにプロセスアプローチを実現すればよいのだろうと悩んでいる会社が意外と多いのではないでしょうか?

プロセスアプローチの用語だけとらえても具体的に何を実施してよいのか分からず、理解のとぼしいまま取り組もうとしてもけっしてうまくいきません。

プロセスアプローチについてしっかりと理解し、品質マネジメントシステム(QMS)活動のなかに取り込んでいくと、品質マネジメントシステムの改善がより早いスピードで進んでいきます。

この記事では、下記、ISO9001で取り組むプロセスアプローチについてわかりやすくまとめています。

  • プロセスとは何か
  • プロセスアプローチとは何か
  • プロセスアプローチの具体的運用方法

プロセスアプローチを品質マネジメントシステム活動に取り入れ、効率よく品質マネジメントシステム改善を進めていきたいと考えている方はぜひこの記事をご覧ください。

プロセスとは?

プロセスとは、インプットとアウトプットに変換することを可能にするために、人的資源や物的資源を使い運営管理される一連の活動のことをいいます。どんな活動(業務)にも有形あるいは無形のインプットがあり、活動の結果、有形あるいは無形のアウトプットが発生します。(図1参照)

図1.プロセス相関図

組織の品質マネジメントシステムは数多くのプロセスから構成されており、大きく4つに区分されます。運用のプロセスを主要のプロセスとし、その支援プロセス、トップマネジメントが関与するプロセス、評価・改善プロセスに区分することができます。

運用のプロセスとしては、営業プロセス、設計・開発プロセス、製造プロセス、調達プロセスなどがあります。トップマネジメント関与のプロセスとしては、品質方針・品質目標の設定、計画の策定、責任・権限の割り当てなどがあります。支援プロセスとしては、教育・訓練プロセス、文書管理プロセス、測定機器管理プロセス、設備機器管理プロセスなどが存在します。評価・改善プロセスには、是正処置プロセス、内部監査プロセス、監視・測定プロセス、改善プロセスなどがあります。

プロセスの設定は、各組織で管理可能な範囲で決定するとよいでしょう。企業規模にもよりますが、一般的には8~12個のプロセス設定が管理しやすい範囲であるといわれています。

プロセスアプローチとは?

プランニング・スケジュール

プロセスアプローチとは、組織内において意図した結果を達成するためにプロセス(業務)を明確にし、その相互関係を把握し運営そして管理することをいいます。

組織は価値を付加するために存在しており、適切にプロセスアプローチを運用することで大きな付加価値をうむことになります。

それでは、プロセスアプローチとはどのような目的をもって運用されるものなのでしょうか。これから、プロセスアプローチの目的とプロセスアプローチによる品質マネジメントシステムの運用について具体的に解説します。

プロセスアプローチの目的

プロセスアプローチの目的は、望まれる成果を生み出すこと、つまり期待する結果を得ることにあります。

期待する結果とは顧客満足であり、プロセスアプローチを採用することにより品質マネジメントシステムが有効に改善され、顧客満足を向上させることができます。

プロセスアプローチによる品質マネジメントシステムの運用

ISO9001規格ではプロセスアプローチが中心の概念になっており、PDCAサイクルとリスクに基づく考え方がプロセスアプローチを補完することで、各プロセス及び品質マネジメントシステム全体をマネジメントすることができるようになっています。

品質マネジメントシステムは多数の関連しあうプロセスから構成されています。品質マネジメントシステムが有効に機能するためには、各プロセスの運用がPDCAサイクルにより適切に実現され、かつプロセス間のつながりが遅滞なく進捗していくことが重要となります。

それでは、プロセスアプローチをどのように運用すれば品質マネジメントシステムの有効性につながるのでしょうか。これから、プロセスアプローチの具体的運用方法をみていきます。

プロセスアプローチの具体的運用方法

項目の洗い出し

品質マネジメントシステム改善では、各プロセス間の繋がりが効率よく回ることが重要であると先に述べました。プロセスアプローチとして効率よく回すためには、各プロセスの重要な要素をもれなく洗い出し、その要素を管理することが大切です。また、プロセス間で生み出される要素も抜け漏れなく洗い出す必要があります。

これら要素を洗い出し目で見える化するために、タートル図を作成し運用するとよいでしょう。タートル図は、各プロセスの重要な要素を把握し、プロセス間の繋がりを理解するのにひじょうに有効なツールですので、プロセスアプローチ運用としてタートル図作成、そしてその内容をもとに維持管理していくことをお勧めします。

プロセスアプローチ運用において重要な構成要素は7つあり、それをタートル図で明確にすることが大切です。それでは、タートル図のそれぞれの要素について説明していきます。

プロセス及びプロセスオーナーを明確にする

各プロセスごとにタートル図を作成する必要があるので、どのプロセスに対しタートル図を作成するかを明確にします。また、そのプロセスを管理するプロセスオーナーを明確にしておく必要があります。

プロセスによるアウトプットを明らかにする

プロセスのアウトプット、すなわちプロセスを実施したことで生み出されるものを明らかにします。

アウトプットの例として、次のプロセスに引き渡す製品や文書・記録類、またプロセスを経て得られた実績や結果、情報などがあります。

プロセスへのインプットを明らかにする

プロセスのインプット、すなわちそのプロセスを実施するために必要なインプット項目を明らかにします。

材料や中間製品、そして文書・記録類などの前のプロセスのアウトプットが、そのプロセスのインプットとなります。つまり、プロセスのインプットが明確になることにより、どの部門がアウトプットした項目であるかの繋がりを把握することができます。その他には、前プロセスからインプットされた情報や実績、結果などをもって、プロセスを実現することもあります。

プロセスに必要な物的資源を洗い出す

プロセス運用のために必要となる物的資源を洗い出します。

製造設備、資源、治工具などの資源や、コンピュータシステム、ソフトウェアなどがあります。

プロセスに必要な人的資源を洗い出す

プロセスを実行するために必要な要員と、それら要員に必要な力量や教育訓練などがあります。

プロセスを運用するのに必要な手順類を明確にする

プロセスの実施手順や実施方法を明確にします。タートル図には、それらを明確にするためにプロセス運用で利用される手順書類を記載します。

プロセスの評価指標を明確にする

プロセスのアウトプットの達成度、プロセスの有効性の評価指標、そしてパフォーマンス評価指標を記載します。

プロセスの評価指標はプロセスが有効であったかどうかを示すもので、もっとも重要な要素です。

タートル図の作成及び実運用

これまで述べてきた7つの要素がタートル図に記載する項目となります。プロセスを管理しプロセスアプローチを効果的に運用していくためには、タートル図を充実させることが大切です。(図2参照)

図2.タートル図

タートル図を作成する際には、洗い出しもれが発生しないように、部署メンバーで話し合い実施することをおすすめします。また、他部署との繋がりがあれば他部署と話し合い作成すると、記載もれがなくなり、充実したタートル図となります。

また、タートル図は重要な文書になりますので、最新版としての管理が必要です。組織変更や業務変更があったときはもちろんですが、プロセス繋がりにも変更が生じていないか、定期的に見直すことが大切です。評価指標は少なくとも年1回の見直しが入りますので、そのタイミングでは必ずタートル図項目全体を見直してください。

まとめ

この記事では、プロセスアプローチを効果的に運用するために目で見える化するタートル図作成及び管理のポイントを解説してきました。

ISO9001では、品質マネジメントシステム改善のためにプロセスアプローチ運用を推奨しています。しかし、プロセスアプローチがどのようなものか口頭のみでは分かりにくいので、自部署のプロセスのタートル図を作成し、どのようなプロセスつながりで運用されているかを説明できるようにしておくことが大切です。

なお、タートル図を作成することが目的になってはいけません。タートル図を効果的に運用しプロセスを管理し、他プロセスとの繋がりを明確にすることで、結果的に品質マネジメントシステム改善につながっていきます。

プロセスアプローチをタートル図運用で管理し、会社の品質マネジメントシステムの継続的改善に貢献できるように活動してみてください。

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この記事を書いたライター
小一郎秀長

ISO9001(1994年度版)導入に続きISO14001(1996年度版)導入において、ISO事務局委員長として会社の認証取得に貢献。その後のISO改訂時には、後輩育成のためにISO事務局へのアドバイザーとしてサポート。
現在はISO9001/IATF16949の維持管理に従事中。
戦国時代をこよなく愛し、尊敬するのは豊臣秀長。連休は城址廻りでリフレッシュ。

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