ISO9001の要求事項とは?規格の一覧とポイントを徹底解説

ISO9001の要求事項とは?規格の一覧とポイントを徹底解説 ISO9001

ISO9001の取得を目指して要求事項を確認し始めたけれども、抽象的でわかリにくいと感じている担当者の方もいるのではないでしょうか?

そのような方は、ISO9001における個別の要求事項を読み込む前に、大本の考え方を理解するのがおすすめです。土台の考え方や目指しているところを頭に入れた上で要求事項を読み込めば、早くしっかりと理解することができます。

この記事では、ISO9001取得に向けて、これから準備をすすめる方に役立つ情報をまとめています。

  • 要求事項とはなにか
  • ISO9001の土台にある考え方
  • ISO9001要求事項の一覧と理解するべきポイント

この記事を読めば、ISO9001取得に向けて目指すべき方向性が明らかになります。ぜひ、具体的な準備を始める前の方も、何をしていいのか行き詰まってしまった方も参考にしてください。

要求事項とは?

そもそもISOの要求事項とは何なのでしょうか。

ISO9000によれば、要求事項は「明示されている、通常暗黙のうちに了解されている、又は義務として要求されているニーズ若しくは期待。」と定義されています。

つまり、ISO9001を取得するためには、規格に書いてある内容だけでなく、暗黙の了解になっているニーズにも応えなければなりません。

とはいえ、ISO9001が本当に求めていることがなにか理解していなければ、ニーズを満たす動きを取ることは難しいでしょう。そこで、始めにISO9001の土台になっている品質マネジメント7原則という考え方を紹介します。

品質マネジメント7原則を満たすように個別の要求事項が作られているため、まずはこちらを理解しましょう。

ISOの要求事項について、詳しくは「ISOの要求事項とは?定義から特徴まで徹底解説」を参照ください。

ISO9001の土台にある品質マネジメント7原則とは?

ISO9001の内容をしっかり理解するためには、品質マネジメント7原則を頭にいれておくとよいでしょう。

ISO9001の要求事項を何のために、どのようにやるのかという考え方の基盤を示したのが品質マネジメント7原則です。目的や方向性を最初に把握しておくことで、ISO9001の要求事項が目指すものもわかりやすくなります。ぜひ、最初に目を通してください。

※なお、元々は品質マネジメント8原則が示されていました。2015年にISO9001を改定したのに伴い7原則になったため、本サイトでは最新版である7原則を紹介しています。

顧客重視品質マネジメント7原則とは

品質マネジメントでは顧客の要求事項を満たし、期待を超えることが求められます。

そもそも品質とは、「顧客の要求と提供している製品・サービスとのギャップ」で図られるもの。すなわち、顧客が期待している以上のモノを提供できれば品質が良いとみなされ、満足してもらえます。

品質マネジメントを考えていく上で、顧客重視はまず大切にしなければならない考え方です。

リーダーシップ

組織のリーダーと責任の所在を決め、品質マネジメントシステムの構築から改善までを担わなければいけません。リーダーが方針を明確に示しながら意思決定、管理し、メンバーがその方針に沿って取り組んでいく組織づくりを求められています。

人々の積極的参加

品質の良い製品・サービスを提供する組織づくりには、メンバーの積極的な参加が不可欠です。一部の人間だけが改善活動をすすめるのではなく、従業員全員が自分にできることを考えて目標達成を目指しましょう。

プロセスアプローチ

プロセスアプローチ

組織で分担して業務をおこなうなかでは、プロセスアプローチの考え方が大切です。ある部署、ある工程のアウトプットは、ほかの工程に影響するため、その影響を理解した上で管理していかなければいけません。

噛み砕いて説明するために、カレーライスを分担して作ることを考えてみましょう。どんなに煮込みの部署が頑張っても、切った野菜の大きさが不揃いでは生煮えの部分が出てきます。そもそも選んだ野菜のサイズが大きくばらついていたら、均等に切るのも大変でしょう。

美味しくカレーを作るためには、それぞれの工程のアウトプットが次の工程のインプットになることを理解した上で、管理することが大切です。後工程に送る前にそれぞれ品質を管理していれば作業もしやすく、最終的な製品も品質が安定するでしょう。

このように、それぞれの範囲であるプロセスを明確にした上で、相互関係を理解して全体を運用するのがプロセスアプローチです。

ISOのプロセスアプローチについて、詳細は「ISO9001活動でプロセスアプローチを適切に運用する方法を徹底解説」をご参考ください。

改善

より良い組織を作り顧客満足度をたかめていくには、継続的な改善が必要です。問題が起きる前から、より良くできるところはないか考え、最適化をしていく必要があります。

客観的事実に基づく意思決定

意思決定には、客観的な事実やデータを使うように求められています。使えるデータを残すためには、分析するときのことを考えながら目的をもって記録を取ることが大切です。

関係性管理

組織が持続的に成功するためには、利害関係者(ステークホルダー)との関係性を良好に保つことも重要です。全体が対等な立場で気持ちよく仕事をしながら顧客の満足度を高められるように、まわりとの関係性もマネジメントしなければなりません。

ISO9001の要求事項の一覧

ISO9001要求事項一覧

それではISO9001で求められている要求事項の内容をみてみましょう。ここでは項目を一覧にして示します。

4 組織の状況

4.1 組織及びその状況の理解

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス

5 リーダーシップ

5.1 リーダーシップ及びコミットメント

5.2 方針

5.3 組織の役割,責任及び権限

6 計画

6.1 リスク及び機会への取組み

6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定

6.3 変更の計画

7 支援

7.1 資源

7.2 力量

7.3 認識

7.4 コミュニケーション

7.5 文書化した情報

8 運用

8.1 運用の計画及び管理

8.2 製品及びサービスに関する要求事項

8.3 製品及びサービスの設計・開発

8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理

8.5 製造及びサービス提供

8.6 製品及びサービスのリリース

8.7 不適合なアウトプットの管理

9 パフォーマンス評価

9.1 監視,測定,分析及び評価

9.2 内部監査

9.3 マネジメントレビュー

10 改善

10.1 一般

10.2 不適合及び是正処置

10.3 継続的改善

ISO9001:2015版 要求事項

ISO9001要求事項のポイント解説

次にISO9001の要求事項で求められている内容のポイントを解説していきます。要求事項が求めている内容の大枠を理解した上で、個別の内容を読み込むと効率的に理解できるでしょう。

ぜひ、こちらで概要をつかんでくださいね。

マネジメントシステムを構築する

まず理解しないといけないのが、「ISO9001は品質マネジメントシステムを構築することを求めている」ということ。組織として品質の高い製品・サービスを提供できるような仕組みづくりをするのが目標です。

そのため、個別の製品やサービスについて満たすべき規格が並んでいるわけではありません。ルールを決めてそれを守って運営できていることに主眼が置かれていることを理解しましょう。

要求事項のなかには、文書化を求めているものもあります。この目的は、ルールを誰もがわかりやすい形でまとめておき、いつでも参照できるようにすることです。書類自体がゴールではなく、あくまでマネジメントシステム構築を目指していることを忘れないようにしてください。

なお、品質マネジメントシステムについてさらに詳しく知りたい方は、【QMS(品質マネジメントシステム)とは?ISOとの関係性も基本から解説】もご覧ください。

組織の状況を理解し明確にする

4章で求められているのは、組織の状況を適切に把握することです。

ISO9001認証を目指す組織について、目的と現状を把握することから始めましょう。また、利害関係者が何を求めているのかを明確にすることも大切です。

ここでは、SWOT分析が一般的に使われます。現状を可視化することで、客観的に組織を見つめ直すことが可能です。

自組織の現状把握ができたら、マネジメントシステムを構築する範囲を明確にして、いよいよ個別の事象を考えていきます。

リーダー・経営者の責任と組織内の権限を明らかにする

5章で求められているのは責任の所在や意思決定者がわかりやすく、トップがリーダーシップを取れる組織をつくることです。

誰がやる仕事か、誰が意思決定をするのかを規定していなければ、組織内のお見合いが多く仕事が進みません。そのような状態を避けるために、それぞれの権限を明確にすることが求められています。

また、トップはリーダーシップを発揮し、組織全体が目指す方針を明確に示す必要があります。全員が同じ方向に向かって行動できる、強い組織づくりをISO9001は要求しています。

PDCAサイクルを回す

6章から10章で求められているのは、PDCAサイクルを回して継続的に改善できる組織を作ることです。

PDCAサイクルはPlan(計画)、DO(実行)、Check(評価)、Action(改善)の4つのパートから成り立つものです。

課題が見つかったときには、まず目標と課題解決の計画(Plan)を立て、その計画に従って実行(Do)します。そして、実行した結果、課題の解決につながったかを評価(Check)し、効果があるように業務を改善(Action)することで、次の活動につなげます。

このように継続的に問題を発見し、その問題に対して適切に是正処置をおこなうことで、改善を常に求めているのがISO9001です。一過性の審査ではないことに注意しておきましょう。

ISO9001の取得の流れは?

ISO9001を取得するまでの流れは、以下のように進んでいきます。

  1. 事前準備
  2. キックオフ
  3. システム構築・運用
  4. 審査・認証
  5. 定期審査

認証取得を目指したら最初に担当者や取得予定日を決め、全体にキックオフ宣言をします。ISO9001の取得には全社の協力が不可欠なので、意思統一しましょう。

その後、内部でシステムを構築し、デモ運用を繰り返します。システムの内容に問題がないか内部監査して、ブラッシュアップしていきます。

問題がなければ認証機関による審査を受けて腫れて、ISO認証を取得できます。認証取得後も1年に1〜2度の定期審査があるため、常に改善を繰り返しましょう。

さらに各ステップでやるべきことを詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

まとめ

この記事ではISO9001の要求事項について、ポイントをおさえて解説してきました。顧客満足を高めるために、組織として品質を担保する仕組みを作ることがISO9001で目指す方向性です。この大本の目的を頭にいれながら個別の要求事項を読んでいけば、やるべきことが見えてくるでしょう。

ISO9001認証に向けたマネジメントシステム構築は、簡単ではありません。迷いそうになったときは改めて原則に立ち返ったうえで、品質の高い製品・サービスを安定して提供できる組織を構築していきましょう。

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この記事を書いたライター
はらちあき

JIS品質管理責任者。大学時代は品質マネジメントを専門分野として研究活動をおこなう。修士課程在学中にJIS品質管理責任者を取得。卒業後はメーカーに就職し、品質推進部門にて活動する。
現在はライターとして独立し、多分野で執筆中。

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