ISO14001要求事項で求められるマネジメントレビューとは?ポイントを解説

ISO14001要求事項で求められるマネジメントレビューとは? ISO14001

ISO14001では、規格要求事項の中で、組織の環境マネジメントシステムが引き続き適切、妥当かつ有効であることを確実にするために、あらかじめ定められた間隔でのマネジメントレビューの実施を要求しています。また、マネジメントレビューを行うために必要となるインプット及びマネジメントレビュー実施によるアウトプットについて、考慮すべき事項を規格要求事項の中で明確にしています。

ISO事務局業務を担う方は、マネジメントレビュー実施内容が規格要求事項を網羅できていることをチェックしながら進める必要がありますが、マネジメントレビューが適切に対応できているのか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

マネジメントレビューは最低限1年に1回は必ず実施しなければならないので、事務局業務を担う初期の段階でマネジメントレビューの在り方をしっかりと理解し取り組めば、それ以降のマネジメントレビュー活動では必要情報を漏れなくあげ、実行することが可能となります。

この記事ではISO14001でのマネジメントレビューの下記ポイントについてわかりやすくまとめています。

  • マネジメントレビューとはなにか?
  • マネジメントレビューへのインプット項目とは?
  • マネジメントレビューからのアウトプット項目とは?

ISO事務局としてマネジメントレビューをしっかりと管理し、会社の環境マネジメントシステム改善を進めていきたいと考えている方は、ぜひこの記事をご覧ください。

マネジメントレビューとは?

マネジメントレビューとは、組織の状況において変化する環境、意図する成果からの逸脱または有益な成果などの情報を分析し、評価した結果に基づき、トップマネジメント(経営層)が組織の環境マネジメントシステムをレビューし意思決定して、環境マネジメントシステムの変更、改善を指示する仕組みです。

規格要求事項では、あらかじめ定められた間隔で実施するように求めており、最低限、年1回は実施する必要があります。

トップマネジメントがマネジメントレビューを実施するためには、正確なインプット情報が必要となります。また、マネジメントレビュー実施後のアウトプット情報は組織活動に反映することが大切です。

これからマネジメントレビューへのインプット情報、そしてマネジメントレビューからのアウトプット情報を具体的に見ていきましょう。

マネジメントレビューへのインプット項目とは?

トップマネジメントがマネジメントレビューを実施するためには、多くの生の情報や環境マネジメントシステム活動で得られた結果の分析評価されたデータなどが必要です。

それでは、どのような情報が正確にインプットされれば、会社によって有効なマネジメントレビューを行えるのでしょうか。これから、マネジメントレビュー実施に必要となるインプット情報は何かを解説していきます。

前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況

環境マネジメントシステムの継続的改善を図るために前回までにトップマネジメントがマネジメントレビューのアウトプットとして指示した事項に対して、どのような活動を実施したのか、その進捗状況と未解決事項の対応状況をまとめインプットします。

次の事項の変化に関する情報

トップマネジメントが正確なマネジメントレビューを実施できるようにするために、次の事項の変化に関する情報を収集しマネジメントレビューへインプットする必要があります。

環境マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化

会社の環境マネジメントシステムを維持改善するために、組織の関わる環境問題に向き合っていく必要があります。その大きな要素として外部及び内部の課題があります。

外部課題の変化としては、環境関連法規制の変更、顧客からの環境関連要求の変化、環境に関する地域との関わりの変化などがあります。内部課題の変化としては、組織変更、新規事業や新設備導入の際の環境影響変化、設計変更、工程変更による環境影響変化などがあります。前回のマネジメントレビュー以降に、外部及び内部の課題にどのように対応し、その結果は満足のいくものであったか、あるいは問題が残ったかをまとめる必要があります。

順守義務を含む、利害関係者のニーズと期待

環境関連として、国や地方自治体などの行政機関、顧客、購買先、外部委託先そして地域の住民が利害関係者になります。会社が順守すべき法規制の新規制定や改定等の最新情報については行政機関より入手しトップマネジメントへインプットする必要があります。また、利害関係者から発信された環境に関する苦情や賞賛については会社にとって貴重な意見であり、次期にはその問題点を反映する必要があるので、全ての情報を漏れなくインプットしなければなりません。

著しい環境側面

新たな事業立ち上げや新規設備導入などが実施される場合、環境影響評価を行う必要がありますが、評価の結果著しい環境側面に指定された項目は定期的に監視し、その実績をトップマネジメントにインプットする必要があります。

リスクと機会

事業計画策定段階で、環境面から見たリスクと機会を洗い出し、特に高いリスクと判断される項目に対し環境改善活動を設定されているはずです。その改善活動の実績などをインプットしなければなりません。

環境目標の達成度

期初に設定した環境目標に対して、最低限でも期末の達成度合いをインプット情報として報告します。目標未達成となる場合には、是正処置内容に対しトップマネジメントの指示を仰ぐ必要があります。

次に示す傾向を含めた、組織の環境パフォーマンスに関する情報

環境マネジメントシステム活動を実施する中で、環境目標を達成するためにさまざまな環境パフォーマンスを監視することが大切です。その中で、確実にマネジメントレビューへインプットすべき項目があり、それが次の4項目となります。

不適合及び是正処置

業務における不適合が発生することにより、環境側面にも影響を及ぼすことがあります。まずは不適合の分析を行う際に、環境への影響度も分析する必要があります。もし影響度が大きい場合には、不適合に対する是正処置のなかで環境影響を低減する内容も網羅しなければなりません。その是正処置を取った効果確認結果と、継続実施における有効性評価結果について、環境影響度の観点からマネジメントレビューへインプットする必要があります。

監視及び測定の結果

環境目標達成のために監視及び測定している項目の測定結果をインプットします。例えば、マニュフェスト報告書を提出するための廃棄量、電気や水使用量の推移、紙使用削減量などの、監視及び測定結果の報告となります。

順守義務状況

定期的に実施している法規制順守の評価結果をインプットします。会社業務に関わる新たな法規制が発生していないか、また適用している法規制に改版が出ていないかを確認し、その評価も行う必要があります。

万が一にも、順守義務から逸脱したような事態が発生した場合には、行政機関への即時の発生状況報告とともに是正処置の継続報告が必須となります。是正処置に対して行政機関とやり取りした情報については会社にとって最重要の環境パフォーマンス監視内容になりますので、漏れなく記録を残しマネジメントレビューへインプットしなければなりません。

監査結果

内部監査やISO14001審査の結果は当然のこととして、顧客監査や行政機関の監査結果をトップマネジメントに確実にインプットする必要があります。

不適合が発生した場合には、その是正処置内容と監査先との是正内容合意状況もまとめ、報告する必要があります。是正処置については投資を要する事項もあるので、監査結果及び是正処置内容を正確にインプットすることが大切です。

苦情を含む、利害関係者からの関連するコミュニケーション

会社にとっての利害関係者からの苦情を含め、会社に対する改善要望などがあれば、その内容をインプットします。例えば、工場からの排気ガスの臭気が強くなっているとの近隣からの苦情や協力会社から環境負荷低減活動の協力依頼があるなどを報告します。

継続的改善の機会

会社のなかで、継続的に改善していることの状況報告を行います。

会社内で小集団での改善活動や改善発表会を行っている場合には、改善状況やその効果、そして今後の改善活動事項などの活動結果をインプットするとよいでしょう。

マネジメントレビューからのアウトプット項目とは?

トップマネジメントは、マネジメントレビューへのインプット情報を受け、トップマネジメント自らの視点との整合を取ります。そしてそのアウトプットとして、会社が担う環境関連事項に対し改善すべき対応処置を決定し指示します。

それでは、トップマネジメントがインプット情報を得て、マネジメントレビューからアウトプットする決定・処置事項とは何かを解説します。

環境マネジメントシステムが引き続き適切、妥当かつ有効であることに関する結論

インプットされた報告内容から、トップマネジメントは会社の環境活動の取り組みが問題なく、継続的に効果を出していける仕組みであるかを判断し発信します。現行活動で不足していると判断した場合には、次年度の環境活動目的及び目標に盛り込む指示などをすることで、トップマネジメント自らが決定した内容を社員にアウトプットします。

継続的改善の機会に関する決定

これまで活動してきた環境活動のなかで、これからも継続的に実施していく環境活動は何か、判断した理由も含めて、トップマネジメントの意思を社員にアウトプットします。

資源を含む、環境マネジメントシステムの変更の必要性に関する決定

インプットされた情報を受けて、社内の経営資源(人、設備、作業環境など)を変更する必要があるか、その結論についてトップマネジメントからアウトプットしてもらいます。

必要な場合に、環境目標が達成されていない場合の処置

環境目標に対し未達成となった場合には、同じ環境目標で継続するか、或いは環境目標を見直し環境活動計画を修正させ対応していくか、トップマネジメントの決定事項をアウトプットします。

必要な場合に、他の事業プロセスへの環境マネジメントシステムの統合を改善するための機会

品質マネジメントシステムや労働安全衛生マネジメントシステムなどの他のマネジメントシステムと統合している場合には、環境マネジメントシステム単独での改善だけでなく、統合マネジメントシステムとして改善する必要があるか、その決定事項をアウトプットします。

組織の戦略的な方向性に関連する示唆

トップマネジメントは、会社として今後向かうべき方針を示し、環境マネジメントシステムが会社の目指すべき方向に見合ったことであることを社員にアウトプットします。

特に、会社の事業を拡大しようとして新しい組織を作る、また人の採用を促進するなどの、マネジメントシステムが拡大する内容については社内外とも関心事項となるので、納得させるアウトプットが必要です。

まとめ

この記事では、ISO14001活動で必須となるマネジメントレビューについて解説してきました。トップマネジメントが環境マネジメントシステムの運用状況を把握し、適切にマネジメントレビューするためには、インプットする情報源がしっかりと分析評価されまとめられていることが大切であることを理解していただけたかと思います。

環境負荷低減活動はこれからも世界レベルで実施されるため、会社としても環境マネジメントシステムの継続的改善は必須事項として実施しなければなりません。

環境マネジメントシステム管理を担う方々は、トップマネジメントが判断するマネジメントレビューが会社維持発展をつかさどる重要なイベントであることをしっかりと認識したうえで、マネジメントレビューの管理をしっかりと行ってください。

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