ISO14000とは?14000ファミリー規格は多様な環境マネジメントに対応

ISO14000とは?14000ファミリー規格は多様な環境マネジメントに対応 ISO14001

環境に関するISOと言えばISO14001が思い浮びますが、その他にも約50種類ほどの環境関係の規格がISOにはあります。これらは総称してISO14000ファミリー規格と呼ばれています。

組織や企業を取り巻く環境課題は多様です。認証規格のISO14001を運用するうえで、参考にすべき環境ソリューションをこれらのISO14000ファミリー規格は提供しています。ここでは、ISO14000ファミリー規格の概要を把握するために次のような点を中心に情報をまとめています。

  • ISO14000シリーズ制・改訂の背景
  • ISO14000ファミリー規格の分類
  • 主要なファミリー規格の内容

ISO14001の管理責任者や事務局の方など、環境マネジメントシステムの運用に悩んでいる方や改善を検討している方などには、ぜひ参考にしていただければと思います。

ISO14000シリーズ制・改訂の背景

ISOでは様々な産業、業界に適用するマネジメントシステム規格を制定しています。その先駆けとなったのが、1987年に制定されたISO9000シリーズ、品質マネジメントシステムです。

環境マネジメントシステムに関しては、1992年の地球サミット以降に規格の策定が本格化しました。地球サミットの際に創設された「持続可能な開発のための経済人会議」がISOに対して、環境についての国際規格の作成に取り組むよう要請を行なったのが発端です。

環境マネジメントシステムの要求事項を規定したISO14001が制定されたのは1996年9月です。その後、ISO14001をサポート、補填する様々なISO14000ファミリー規格が順次制定されました。

中核となるISO14001規格は、1996年に制定された以降、2004年に規定の更なる明確化と、品質マネジメントシステムISO9001との両立性を図るという原則を目的に大きく改訂されました。その後、さらに品質や情報、食品安全などのマネジメントシステムなどとの整合性を図ることを主旨に、2015年に大幅な改訂がなされて今に至っています。その間、ISO14000ファミリー規格も改訂・拡充されてISO14001をサポート、補填されています。

ISO14000ファミリー規格とは?

ISO14000ファミリー規格は、多くの企業などが認証取得に取り組んでいる環境マネジメントシステムの要求事項を規定したISO14001をサポート、解説などの補填をする環境関連の規格群です。

品質マネジメントシステムのISO9000ファミリー規格は約20種類ですが、ISO14000ファミリー規格は約50種類の規格で構成されています。品質以上に環境は、多くの産業や業界に関わっていて、個別の業界などに対応してサポートする必要があるからでしょう。

ISO14000ファミリー規格の分類

約50種類あるISO14000ファミリー規格は、規格番号によって概略以下のように分類することができます。

  • ISO14000~14009:認証登録規格であるISO14001を中心にした「環境マネジメントシステム」の規格群。
  • ISO14010~14019:「環境監査や環境調査」に関わる規格群。
  • ISO14020~14029:エコマークやリサイクルマークなどの「環境ラベル」に関する規格群。
  • ISO14030~14039:環境負荷に関わる対策の成果を示す「環境パフォーマンス評価」の指標などについての規格群。
  • ISO14040~14049:製品などの原材料の採取から設計・生産・使用・使用後の廃棄に至るまでの「ライフサイクルアセスメント」に関する規格群。

この他、「温室効果ガス」や「気候変動適応」などについても多くの規格の制定を進めています。また、ISO14050(環境マネジメント-用語)やISO14063(環境コミュニケーション)などのように単独で重要な規格もあります。

ISO14000ファミリーの主要な規格の内容

ISO14000ファミリー規格のなかで、主要な規格の内容を紹介しましょう。ISO14001についての説明は省きますが、JIS化されている規格はネットでテキストのみですが確認できますので参考にしてください。

ISO14004は環境マネジメントシステム実施の一般指針

ISO14004:2016(環境マネジメントシステム-実施の一般指針:JIS Q14004:2016)は認証規格ISO14001を運用するためのガイドライン的な役割をもつ規格です。ISO14001の構成に沿って、多くの注記や例示でその運用のための解説が示されています。

例えば、6計画の6.1では次のような構成で難解な「環境側面」を解説しています。

6 計画

6.1 リスク及び機会への取組み

6.1.1 一般

6.1.2 環境側面

6.1.2.1 概要

6.1.2.2 活動,製品及びサービスの理解

6.1.2.3 環境側面の決定

6.1.2.4 環境影響の理解

6.1.2.5 著しい環境側面の決定

また、附属書には、「活動・製品・サービス、これらに伴う環境側面及び環境影響、リスク及び機会、並びに取組みの例」や「環境マネジメントシステムの実施のための段階的アプローチ」が具体的な例で示されています。環境管理責任者や内部監査責任者、事務局の方などは必読しておくべき規格の一つと言えるでしょう。

ISO14050は環境マネジメントの用語の定義

ISO14050:2009(環境マネジメント-用語:JIS Q14050:2012)は、環境マネジメントシステムの規格に用いられている基本的な用語の定義をしています。

用語と定義は次のような順番で体系的に整理されていて、五十音順とアルファベット順の索引も用意されています。

  • 環境マネジメントに関する一般用語
  • 環境マネジメントシステム関連用語
  • 妥当性確認,検証及び監査関連用語
  • 製品システム関連用語
  • ライフサイクルアセスメント関連用語
  • 環境ラベル及び環境宣言並びに環境コミュニケーション関連用語
  • 温室効果ガス関連用語

1つの用語で異なる規格、項目で使用されているものについては、注記で表現などの違いや関係性なども示されています。この規格は現在改訂作業中でDIS(Draft International Standard:国際規格案)の段階です。さらに有効な解説が得られる定義規格となることが期待されます。

ISO14030シリーズは環境パフォーマンス評価

ISO14030番台は、環境パフォーマンス評価の規格になっています。

  • ISO14031:2013(環境マネジメント-環境パフォーマンス評価-指針:JIS Q14031:2000)
  • ISO14033:2019(環境マネジメント-定量的環境情報-指針及び事例)
  • ISO14034:2016(環境マネジメント-環境技術実証)

この他、ISO14030-1(環境パフォーマンス評価-グリーン債券証書-第1部:グリーンボンドの手順)など4つの規格が制定作業中で2021年には発行される予定です。

中核となるISO14031には、環境パフォーマンス評価の指針が定められています。環境パフォーマンスは、環境への負荷やそれに関わる対策の成果などのことですが、それらは的確に把握され評価されなければなりません。その評価の指針となるのがISO14031で、評価するための手法がPDCAの手順で詳細に示されています。

ISO14040シリーズはライフサイクルアセスメント

ISO14040番台は、環境マネジメントでのライフサイクルアセスメントの規格になっています。中核は次の2つの規格です。

  • :2006(環境マネジメント-ライフサイクルアセスメント-原則及び枠組み:JIS Q14040:2010)
  • :2006(環境マネジメント-ライフサイクルアセスメント-要求事項及び指針:JIS Q14044:2010)

ISO14044は旧規格の14041(目的及び調査範囲の設定並びにインベントリ分析)と14042(影響評価)、14043(解釈)を統合して再編集した規格です。

ライフサイクルアセスメントとは、製品となる原材料の採取から、材料の加工、製造、流通、使用、メンテナンスを経て、最終的な廃棄やリサイクルに至るまでの、製品のライフサイクルを通じてその環境に対する影響を評価することです。

環境影響評価には多様な局面があります。ISO14040シリーズに定められた指針や要求事項にそって評価することで標準化が図られています。

その他のISO14000ファミリー規格

ISO14000ファミリー規格は種類が多く、とてもここでは紹介しきれません。(財)日本規格協会が、2020年3月時点のISO14000ファミリー規格の開発状況をまとめていますので参考にしてください(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/dev/md_4838.pdf)。

現在、制定途中の規格も数多くありますが、(財)日本規格協会のサイトで開発状況を確認できますので、参考にすると良いでしょう。(https://webdesk.jsa.or.jp/common/W10K0500/index/dev/iso_iso1400/

まとめ

環境については認証規格であるISO14001が周知されていますが、環境マネジメントシステムに関するISO規格はその他にも約50種類くらいあって、ISO14000ファミリー規格と呼ばれています。

これらのファミリー規格は、要求事項を規定したISO14001の運用についてのガイダンス的な役割を果たします。環境はあらゆる産業などに関わる課題なので、多様な環境マネジメントシステムをサポートするために多くのファミリー規格が制定されています。

環境の管理責任者や事務局の方などには、これらの規格をよく把握・理解して、より良い環境マネジメントシステムの構築のために活用されることが望まれます。

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この記事を書いたライター
hikaruta

ISO9001:94年版での認証取得に関わって以来、ISO14001や医療機器品質のISO13485の認証取得・運用に深く携わり、ISOに翻弄、鍛えられたビジネスライフを経験。一線を退き、反省なども込めてISOを見つめ直しています。

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