ISOで求めるマネジメントレビューとは何か?各種規格での重要ポイントを徹底解説

ISOで求めるマネジメントレビューとは何か?各種規格での重要ポイントを徹底解説 ISO全般

認証取得を要するISO国際規格においては全て、マネジメントレビューの実施を求めています。一般的には、組織の経営を健全な状態で運営するために、経営者(社長)や管理者を中心に活動計画を立てその結果をレビューし、反省点を次期の活動へ展開しています。よって、どの会社でも経営上でのレビューを実行しているのですが、ISOの場合は継続的改善を目指すために、経営層レビューのためのインプット項目と、発信すべきアウトプット項目を規格で明確にしています。ISOでは、トップマネジメントがレビューするのに必要な項目を明確にすることで、経営方針が期ごとにしっかりと定まり組織内に展開されることを目的にしています。

ISO9001、14001、27001、45001及び22000全てマネジメントレビューの規格要求があり、記載されている文書は各ISOで少しずつ異なりますが、求めている本質は変わりません。

この記事では、ISO規格で求めるマネジメントレビューとは何か、そしてISO全てにおいて共通する要求事項など以下の流れで説明しています。

  • マネジメントレビューとは?
  • マネジメントレビューの目的
  • 各種ISOで共通したマネジメントレビュー項目
  • 各種ISOのマネジメントレビュー

ISO導入後初めてマネジメントレビューを実施する企業の経営層、管理者また事務局の方々は、マネジメントレビューとしてどのような項目をまとめるべきか悩むことがあるはずなので、ぜひこの記事を参考にしてください。

マネジメントレビューとは何か?

マネジメントレビューとは、経営層であるトップマネジメントが経営に影響を及ぼす実績や分析評価した結果などを精査し、次期に向けて意思決定したうえで、マネジメントシステムの変更や改善を指示する一連の流れのことをいいます。

マネジメントレビューの目的

マネジメントレビューの目的は、トップマネジメントが組織内外の情報や活動結果を分析し、組織の向かうべき方向性を判断し組織内に示してベクトルを合わせ、企業をつねに成長させることにあります。ISOでは、トップマネジメントが偏った情報のみで企業の方向性を決めてしまわないように、規格要求のなかでマネジメントレビューのインプットとアウトプット項目を明確にし、確実にマネジメントレビューが実施されることを求めています。

各種ISOで共通したマネジメントレビュー項目

認証取得を必要とするISO9001、14001、27001、45001及び22000全てにおいて、マネジメントレビューの実施が規格要求で求められています。マネジメントレビューに対しては、インプット項目とアウトプット項目が明確に記載されており、マネジメントレビュー実施に必要な要素として指定されています。

インプットとアウトプット項目について、各種ISOで表現が多少異なりますが共通する項目ばかりですので、これから各種ISOで求めるマネジメントレビューのインプットとアウトプット項目を見ていきます。

マネジメントレビューへのインプット項目

ここでは、マネジメントレビューに対して考慮すべきインプット項目を見ていきます。

①前回までのマネジメントレビューの結果に対して処置した状況

前回のドキュメント

組織で大きな変革が生じない限り方針は一貫性をもっているため、マネジメントレビューでは毎回、重要な管理要素は項目として挙げられ、それら項目は分析評価され、その結果に対してトップマネジメントの指示が入ります。これらは継続的にレビューする必要があることから、前回や前々回に指示されたことに対して、どのように処置したかをインプットする必要があります。例えば、3年や5年間のマネジメントレビューの結果に対して処置した状況をインプットすることで、トップマネジメントは指示したことに対しての有効性を確認することになります。

②各マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化

各マネジメントシステムに対して発生する外部課題や内部課題の変化を、マネジメントレビューへインプットします。

外部課題の変化として一番大きいのは、組織の関わる市場の変化になります。組織が向かうべき方向性を決定するための情報源として、国内だけでなく海外の情報も収集したうえでインプットする市場変化の情報はひじょうに重要な要素です。また、法令・規制要求事項の変化も守るべき重要な要素であり、必ず捉えておく必要があります。

内部課題の変化としては、組織の変更、購買先や委託先の変更、工程の変更などの組織内部で発生する変更があり、これらはマネジメントレビューにインプットする必要があります。

③リスク及び機会に関する情報

リスク

各ISOでは規格要求のなかで、組織に影響するリスクと機会を洗い出し、そこから発生する課題を目標や計画に反映することを求めています。よって、リスクや機会から展開した取組みが有効であったか、或いは課題解決に至らずリスクとして残るのかを整理し、マネジメントレビューへインプットする必要があります。

リスク及び機会については、下記の各規格ごとで参考記事をまとめていますので参考にしてください。

④利害関係者のニーズ及び期待に関する情報

各ISOでは規格要求のなかで、利害関係者のニーズと期待を明確にし、それらを考慮に入れて方針そして目標を設定することを求めています。マネジメントシステム活動の結果、利害関係者のニーズと期待に応えられたか、マネジメントレビューへインプットします。

⑤各マネジメントシステムで設定した目標への達成状況

各ISOでは規格要求のなかで、マネジメントシステムが適切に運用されるように、目標の設定とその目標を達成するための計画策定を求めています。また、マネジメントシステムのパフォーマンスと有効性を評価することも求めていて、期初に設定した目標に対する達成状況を分析し評価することになります。その目標達成状況と、もし未達成となっていればどのように見直しを行ったかについてマネジメントレビューへインプットします。

ISO規格で求める目標管理については、ISO規格要求で求められる目標及びその管理について具体事例を交えて解説でまとめていますので参考にしてください。

⑥不適合及び是正処置内容

マネジメントシステム内で設定した適合基準に対して満たせない事態が生じた場合には、その不適合状態を抑え込み、是正処置を取ることを、各ISOの規格要求で求めています。不適合が発生する場面としては、社内外からの苦情やクレーム、社内でのトラブル、顧客監査、行政機関監査、認証登録機関審査、内部監査などが挙げられます。発生した不適合内容とその不適合に対して取った是正処置内容をマネジメントレビューへインプットする必要があります。

⑦各マネジメントシステムで設定した事項に対する監視及び測定の結果

ISO規格では、マネジメントシステムを適切に運用するために、監視すべき重要な指標を決め、それを定期に監視し測定することを求めています。監視とは、製品やサービス提供するために重要なあるいは仕組みを維持運用するために重要なプロセス(工程や過程)、マネジメントシステム内で実行を約束している活動の状況を抜け漏れなくモニターすることをいいます。また、測定とは監視のなかで得られる結果を値として捉えることをいいます。

目標や計画を設定する段階で監視項目も決め、測定結果をどのようにまとめるかを決めておくと、マネジメントレビューへインプットしやすくなります。

⑧監査結果

組織としては、現マネジメントシステムに対して、顧客、行政機関審査員、認証登録機関審査員そして内部監査員の視点で監査を行ってもらい、指摘された不適合箇所を是正し予防処置に繋げることで改善に導くことができます。指摘事項がなければマネジメントシステムが有効に機能している証明になります。

監査結果をとりまとめ、現マネジメントシステムの有効性についてマネジメントレビューへインプットします。

⑨継続的改善の機会

マネジメントシステムの問題点としては⑤項や⑥項に注目しがちですが、問題が発生している真の要因をたどっていくと重要な問題因子に行きつくことがあります。特に5M1E(人、機械、方法、材料、測定、環境)は変動要素を抱えているので、それらのばらつきにより結果的に大きな問題に繋がっている可能性があります。5M1Eの問題要素についてマネジメントレビューへインプットし、継続的な改善の機会の重要ポイントとして取り扱う必要があります。

マネジメントレビューからのアウトプット項目

アウトプット

前項の①~⑨のインプット情報を受けて、トップマネジメントは現マネジメントシステムの実態と問題点を把握し、改善処置を決定し、次期活動に対してアウトプットします。マネジメントレビューの結果からアウトプットすべき項目としては次の2項目があります。

①各マネジメントシステムのなかでの変更の必要性決定

トップマネジメントは、インプット情報をレビューし、改善の視点を踏まえて変更の必要があるかを決定します。特にインプット情報のなかで問題が見られる箇所については、組織変更、プロセス(工程や過程)の変更、設備やユーティリティ関係の変更、材料メーカーや外部委託先の変更などの必要性を精査し、次期に備える必要があります。

②継続的改善の機会の重要性

前項の⑨項で述べたインプット情報は重要な要素であり、5M1Eの変動要素を捉え、それらを改善することでマネジメントシステムが有効に機能するようになります。トップマネジメントは、⑨項の問題点もしっかりと認識し、継続的改善の要素として取り組むことをアウトプットする必要があります。

なお、マネジメントレビューの結果については、実施した証拠の記録が必要ですので、インプットとアウトプット項目をまとめるフォーマットを作成し対応するとよいでしょう。

また、マネジメントレビュー項目の漏れは大きな問題となるので、初回はコンサルタントにサポート依頼し実施することをお勧めします。

各種ISO規格のマネジメントレビュー

ISO認証

前項では、マネジメントレビューのインプット及びアウトプット項目を見てきました。ここでは特に、ISO9001とISO14001のマネジメントレビューについて見ていきましょう。

ISO9001

ISO9001では、組織は品質マネジメントシステムに対してのマネジメントレビューを実施します。品質マネジメントシステムでは、特に製品とサービスに対しての品質活動が中心になります。

ISO9001のマネジメントレビューは、ISO9001要求事項で求められるマネジメントレビューとは?ポイントを解説でまとめていますので参考にしてください。

ISO14001

ISO14001では、組織は環境マネジメントシステムに対してのマネジメントレビューを実施します。環境マネジメントシステムは、法令規制や顧客要求をもとにした環境活動が中心になります。

ISO14001のマネジメントレビューは、ISO14001要求事項で求められるマネジメントレビューとは?ポイントを解説でまとめていますのでご覧ください。

マネジメントレビューについてよくある質問

ここでは、マネジメントレビューに対してよくある質問に対しての回答をまとめていますので参考にしてください。

マネジメントレビューはいつ実施すればよいのでしょうか?
ISO規格では、あらかじめ定めた間隔でのマネジメントレビュー実施を求めています。
あらかじめ定めた間隔とは、情報を収集し、分析・評価を行うことが可能な期間であり、組織で完了させるには1年はかかります。
トップマネジメントの方針から年間の目標や計画を策定し、実績を分析・評価するには通期で見る必要があることから、マネジメントレビュー実施時期としては、期末の年1回で実施するのが一般的です。半期で目標を設定している場合は、半期毎のマネジメントレビューを実施するとよいでしょう。

マネジメントレビューは経営者のみが行うものですか?
ISO規格ではトップマネジメントが実施することになっていますが、決して限定するものではありません。
多くの企業では、経営会議の一環として経営層を含んだマネジメントレビュー会議を開催し、管理者などがインプット項目を報告したうえで、アウトプット項目を協議し決定していくことで、経営層と管理者で情報を共有しています。

まとめ

この記事では、ISO規格が求めるマネジメントレビューの重要ポイントを解説してきました。マネジメントレビューは経営管理のなかで特に重要な要素であり、ISO規格項目を網羅しておけばマネジメントシステムの継続的改善に繋がっていきます。

ぜひISO規格に従った形でマネジメントレビューを実施し、レビューした結果からつねに改善を目指す体制構築を図ってみてください。

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この記事を書いたライター
小一郎秀長

ISO9001(1994年度版)導入に続きISO14001(1996年度版)導入において、ISO事務局委員長として会社の認証取得に貢献。その後のISO改訂時には、後輩育成のためにISO事務局へのアドバイザーとしてサポート。
現在はISO9001/IATF16949の維持管理に従事中。
戦国時代をこよなく愛し、尊敬するのは豊臣秀長。連休は城址廻りでリフレッシュ。

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