ISO22000・FSSC22000・HACCP各食品安全規格の特徴について解説!

ISO22000・FSSC22000・HACCP 各食品安全規格の特徴について解説! HACCP

ISO22000とHACCPとFSSC22000の特徴について

消費者の食品安全に対する意識の高まりや、食品の輸出入が当たり前になった現代では食品安全システムを利用して様々なリスクを想定し、食の安全性を保つことは不可欠になります。そこで本記事では以下の規格について解説致します。

  • HACCP
  • ISO22000
  • FSSC22000

以下、記事で解説して行きます。

HACCP

アメリカ宇宙産業

HACCPはアメリカの宇宙産業を成功に導く為に米国の威信をかけられて作られた食品衛生管理システムです。宇宙食を開発したピルズベリー社は食品の危害を製造工程中で消し込む考え方のHACCPを導入して、アポロ宇宙計画中に宇宙飛行士が食中毒を起こさない食品を作る必要があったのです。HACCPは時代の背景からその後注目されなくなりましたが、クリントン政権でその重要性を見出されて、アメリカを中心に全世界に広がる食品安全システムとして復活したのです。

日本で義務化されたHACCP

現在HACCPは日本でも一般的になり、食品製造業者を中心に導入されてきましたが、東京オリンピックでの食事提供や食中毒の撲滅を目的に国の方針で義務化されることになりました。これにより食品メーカーだけでなく、これまでHACCPに取り組んだことのない小規模事業者や飲食店も取り組むことになったのです。

しかし全ての事業者に対して同じ基準のHACCPを導入することは、これまでHACCPに馴染みのなかった小規模事業者や飲食店にとって現実的ではなく、事業規模に応じてHACCPの基準を変える弾力的な管理を行うことになりました。その為義務化されたHACCPでは管理基準がAとBに分類されています。以下記事で飲食店のHACCPについて解説しています。

HACCP義務化と飲食店について解説 どんなことに注意すべきか?罰則はあるのか?

日本にある様々な規格のHACCP

ハンバーガーレストラン

日本にも総合衛生管理製造過程という独自のHACCPがあります。現在行われているHACCP義務化とISO22000:2018が発行された影響で事実上廃止になりつつありますが、行政が公認している食品安全システムです。食品の安全のために考案された総合衛生管理製造過程ですが、食品事業者に落とし込む食品安全システムとしては失敗と言わざるを得ないものになりました。理由は本来ソフト面が重要なHACCPシステムをハード面だけに着目したものにしてしまった為で、HACCPはお金のかかるシステムだという印象のみが残る形となりました。また国内のHACCPには総合衛生管理製造過程だけでなく様々な規格があります。世界の基準となるCODEX HACCPの他に、地域HACCPや業界団体HACCPなど様々あり、要求事項も異なります。HACCPは盤石な一般衛生管理の上にCCPで食品危害にとどめを刺す考え方が一般的ですが、地域HACCPなどでは一般衛生管理の考えが不足していることもありますので、食品安全上効果的な世界標準のCODEX HACCPに取り組むことでしょう。ISO22000やFSSC22000に取り組むにあたっても、食品安全の根幹の部分は如何にHACCPシステムをしっかり構築するかが鍵となってきますので、しっかり取り組んでいきたいところです。

CODEX委員会について

CODEX委員会はWHO(世界保健機構)とFAO(国際連合食料農業機関)との合同機関のことです。CODEX委員会では世界中のHACCPがそれぞれのルールで制定されているのは世界調和の面から好ましいことではなく、統一すべきであるという理念のもと活動しています。その結果HACCPは米国発祥の規格ですが、欧州発祥のCODEX HACCPが国際基準になっているのです。ISO22000の中で運用されているHACCPもCODEX HACCPに準拠したものになっており、7原則12手順により導入されます。

7原則12手順については以下記事をご参照下さい。HACCPの7原則について解説!7原則が必要な理由や具体的な内容は?

HACCPの品質管理方法について

HACCPの品質管理方法は通常の品質管理とは異なり、特に顕著なのは出荷基準に対する考え方です。通常の品質管理では抜き取りによる検査手法が用いられ、そこで問題なければ出荷するという考え方ですが、HACCPは一般衛生管理と製造工程上に設けたCCPで食品危害を未然に防ぐという考え方ですので、検査はCCPと一般衛生管理の妥当性確認という位置づけになります。以下記事でHACCPについて解説しています。

HACCPとは何か簡単に解説!ISOやGMP、Codexとの関係は?

HACCPはISO22000やFSSC22000の部分システムである

HACCPはISO22000とFSSC22000には大きく関係します。なぜならばHACCPはISO22000やFSSC22000の部分システムであり、食品安全の核となる考え方はHACCPにあるからです。ISOだと組織に対する様々な要求事項がありますが、8項の運用にHACCPでの食品安全の取り組みが入る形になります。もちろんここで採用されるHACCPはCODEX規格が基準になります。

ISO22000

続いてISO22000についてですが、ISO22000を解説するのにISO9001の存在は欠かせません。なぜならISO22000はHACCPだけでは不十分なマネジメントシステムの欠如をISO9001の要求事項でカバーしているからです。HACCPの弱点は食品安全にのみ特化した規格という点でしたが、ISO22000はISO9001の組織へのPDCAと食品安全のPDCA両方を回すことで食品安全を守る規格です。ISO9001は全ての産業で用いられる品質マネジメントシステムとして重要な規格になっており、ISO9001を基礎として各産業のISO規格が作られています。つまりISO22000はISO9001を基礎として食品安全に特化した要求事項を設けたマネジメントシステムになります。ISO22000はISO9001とHACCPが合体した規格になっており。食品安全や組織の仕組み上うまくいかないことを両方改善する必要のある規格なのです。

ISO22000のファミリー規格について

ISO9001にISO9000などのファミリー規格がある様に、ISO22000にもファミリー規格があります。ファミリー規格で特に重要なのは前提条件プログラムに当たるISO/TS22002-1と適用の為の指針となるISO/TS2204になります。ISO/TS22002-1はFSSC22000ではPAS220に当たるもので、要求事項としてはPAS220よりも抽象的なものになっており、GFSIがISO22000:2005を認証しなかったのはこの為です。

ISO2200:2005からISO22000:2018への更新

ISO22000に限らず、全てのセクターのISO規格は時代背景とともに規格が更新されます。ISO22000:2005からISO22000:2018への具体的な変更点は何点かありますが、最も大きな変更としては一般衛生管理の要求事項がより具体的になってきたということでしょう。その他リーダシップの要求事項や2つのPDCAサイクルなど様々な追加要求事項があり、実業界での運用を見ながら規格は更新されることになります。

FSSC22000

fssc22000.com
(https://www.fssc22000.com/より)

次にFSSC22000についてです。内容はISO22000と似ていますが、最初に発行されたISO22000:2005の前提条件プログラムの弱点をカバーする規格でした。

GFSIとFSSC22000の関係

GSFIロゴ

GFSIとはGlobal Food Safety initiativeの略で、世界の消費財流通業界やメーカー、小売企業など400社以上が組織する非営利団体のことです。具体的にはコカ・コーラ、ウォールマートなどの世界的小売企業が中心となっており、日本の企業も一部参加しています。GFSI設立の背景にはGFSI認証の基準を世界中の小売業者に普及させることで、GFSIが認めたFSMSを取得することでGFSIに参加している小売業からの第二者監査を軽減又は省略できるようにする狙いがあります。

GFSIはISO22000:2005を前提条件プログラムの具体的な要求事項が示されていないことから認証スキームとして認めませんでした。一方、FSSC22000はPAS220の要求事項が加わっていたことで認定することになったのです。

HACCP、ISO22000、FSSC22000の前提管理プログラムの違い

次にHACCPとISO22000、FSSC22000の前提条件プログラムの違いについて解説します。HACCPでは一般衛生管理プログラムと言われることが多いですが、前提条件プログラムと一般衛生管理は同じ意味に当たります。HACCPは認証団体により前提条件プログラムにバラつきがありますが、ISO22000:2018やFSSC22000では要求事項が明確に決めれています。ISO22000も2005年版は詳細な項目が甘かったことから、認証を取得しても製品事故が多いのが実際のところでした。それによりGFSIの認証を得ることができなかったのですが、ISO22000:2018にアップデートしてからはFSSC22000と肩を並べる規格になりました。

前提条件プログラムとPAS220

FSSC22000はISO22000と同様に前提条件プログラムの項目はありますが、PAS220シリーズにより内容が明確に規定されてスタートした点が異なります。先に述べましたが、最初に出たISO22000:2005は前提条件プログラムの項目はあるものの、その運用は組織の方針に任せるというのがポイントでした。商品安全の為にすべき項目はあっても、具体的にどうしたら良いかが書かれていなかったのです。そうなると力量のある組織であれば効果的な前提条件プログラムを決められるのですが、そうでない組織は効果の無い前提条件プログラムで管理してしまう可能性があり、食品安全が脅かされる可能性があります。つまり手洗いひとつにしても手がきれいになれば石鹸や薬剤を使用して洗わなくても良いと判断されてしまった場合、それが手洗いのルールとして定着してしまうリスクがあるということです。これが問題であると欧州の一部の企業から意見が出始めて、BSI(英国規格協会)がPAS220というPRPの詳細な内容までを規定した要求事項を作成し、これが現在ではISO/TS2202シリーズになっています。 FSSC22000はこのTS2202シリーズを採用することで盤石な食品安全を図ろうとしているのです。以下の図1.FSSC22000構築までのイメージ図を参照ください。

図1.FSSC22000構築までのイメージ図

HACCP、ISO22000、FSSC22000のハザード管理の違い

HACCPはハザード管理を極力前提条件プログラムでコントロールして、とどめとしてCCPを設けていますが、ISO22000とFSSC22000では更にOPRP(オペレーション前提条件プログラム)が設けられており、通常のPRPとは異なった文書化や記録、検証など多くの管理が要求されます。PRPの中でもハザードの管理に有効なPRPがOPRPになります。

HACCP、ISO22000、FSSC22000のシステム更新の違いについて

HACCPではシステムを更新する際は再度機器のバックデータを取得したり、CCPの再確認が中心となります。一方、ISO22000やFSSC22000は食品安全システムの更新だけでなく、組織全体のシステム更新も行います。これら2つの規格には外部環境、内部環境に応じて課題とリスクを考慮して取り組む必要があるからです。組織を取り巻く状況が変われば、方針も変わってきます。最近流行している感染症に対する食品安全のシステムの見直しも必要であれば行うことになります。

HACCP、ISO22000、FSSC22000の適用範囲の違い

続いて適用範囲の違いについてです。HACCPには様々な規格があり、元々は農場から食卓までを網羅するはずのものでしたが、実際は食品製造者の食品衛生管理システムにとどまっている傾向にあります。一方ISOやFSSCについては原材料の生産者から食品製造者、流通業者から消費者に渡るまでの全工程が適用範囲に当たります。

まとめ

今回は食品衛生に関わる規格であるHACCPとISO22000、FSSC22000の違いについて解説しました。消費者の食品安全に対する意識の高まりや、食品の輸出入が当たり前になった現代では食品安全システムで安全性の検証をすることは不可欠になります。

HACCPに取り組んでいる食品事業者は少し高い目標にはなりますがISO22000:2018やFSSC22000にもぜひ取り組んでみましょう。

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この記事を書いたライター
久坂精一

品質管理として社内の様々な事業部のISO22000、HACCP取得に向けて取り組みをしてきました。
現在は商品開発を担当。
趣味は学生の頃から継続しているマラソンで、2時間30分台が目標です。

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