HACCPの危害分析について解説~手順例は?アレルゲンの管理方法は?

HACCPの危害分析について解説~手順例は?アレルゲンの管理方法は? HACCP

HACCP構築において、最も重要かつ難しいのが危害分析です。危害分析は組織のHACCPの設計図にもなる工程で、非常に重要です。

危害分析の具体的な手順例が知りたい、決まったルールを社内にうまく浸透させる為にはどうすればいいのか知りたい、という疑問を抱いているHACCP担当者の方は多いのではないでしょうか?

今回はそのような疑問に答える、目に見えないアレルゲンの危害分析やそのコントロール方法について解説記事を書いてみました。

HACCPの重要工程である危害分析とは?

危害分析は、いわばHACCPプランの設計図になります。危害分析の部分を雑に決めてしまうと、第3者や保健所から「御社ではどうしてこのA工程をCritical Control Point(以下略:CCP)に設定しているのに、同じ条件のB工程はCCPに設定していないのですか?そもそもどういった根拠でCCPを決定しているのですか?」という指摘が入るような困った事態になってしまいます。

危害分析の決め方が雑だと、全ての工程の辻褄が合わなくなってしまうので、明確な基準を持って決めることが重要です。 危害分析は工場の動線(レイアウト)を変えるほど重要な工程になります。しっかり会議体でみんなの意見を取り入れながら決めていきましょう。

危害分析で踏むべき具体的な手順

危害分析の流れは主に、以下の4つの具体的な手順で決められています。

・危害要因を洗い出す

・危害の重要度を分析する

・重要なハザードを特定する

・重要なハザードの管理手段を特定する

それでは1つ1つ説明していきましょう。

危害要因を洗い出す

多くの原材料を使用している食品メーカーであれば、危害要因分析が占めるウエイト(重要度、時間)は大きくなります。まずは危害要因は、以下3つの要因に分けて分析する必要があります。

  • 生物的危害要因
  • 化学的危害要因
  • 物理的危害要因

生物的危害要因

ノロウイルス、セレウス菌、病原性大腸菌などの食中毒菌や、魚に含まれるアニサキスなどの寄生虫が挙げられます。加工が前提で入庫される食品についてはこの様な生物学的危害が含まれており、メーカーでの加熱調理や選別作業などを通じて危害が取り除かれ、出荷となります。

逆にメーカーでの工程で取り除けないような生物学的危害を持つ食材については使うことが出来ません。その理由は危害要因分析で危害が最終製品まで残るからです。

化学的危害要因

化学的危害要因と言えば、添加物や農薬、保存料などの印象を持たれる方は多いと思いますが、この要因には洗浄剤の残留や食品製造機械の潤滑油や重金属など偶発的に混入するものも含まれます。

また、生物から出る天然の毒素も挙げられ、例として、ふぐから出るテトロドトキシンや青梅から出る青酸、カビから出るアフラトキシンもこれに入ります。特にテトロドトキシンはサリンと同じく神経毒に当たるので非常に危険です。ふぐを扱う料亭では、専門の資格を持った調理師が毒素のある部分を切り取って危険部位を施錠管理するまで厳重に管理するのが法律で決められているくらいです。

物理的危害要因

物理的危害要因は、通常食品中に含まれない怪我に繋がる様な硬質異物が挙げられます。

例として金属、ガラス、鉱物、骨などが挙げられます。金属はある程度の大きさであれば金属検出器で検知することが出来ますが、ガラスや骨については高価なX線を導入しないと検出することが出来ません。それゆえ、現場での選別工程が非常に重要になります。

危害の重要度を分析する

危害の重要度を分析してCCPとするか否かを決定する必要があります。CCPにするのであればCritical Limit(以下略:CL)を設定してそれをクリアしたかどうかを確実に記録に残す必要がありますが、CCPにしない場合は運用をする必要はあるものの、記録に残す必要はありません。

危害の重要度は下記式で表現されます。

危害の重要性 = 発生確率 × 健康被害の深刻さ

実際のHACCP審査やISO審査ではこの掛け算の発生確率のデータをどこの年度まで参照するのか?ということや、健康被害の深刻さについても、どの基準に対して深刻なのか?といった根拠についても質問してくる審査機関もあります。社内で意見を出し合う場として、定期的にHACCP会議を開催することが重要になります。

重要なハザードを特定する

次に重要なハザードの特定です。つまり製造工程のCCPをどこにするかということです。

その場合、上述の式で出た数値を元に総合的な食品の安全性で判断することがオススメです。危害の重要度の根拠は非常に重要になるので、社内でしっかり基準を固めておく必要があるのです。

重要なハザードの管理手段を検討する

重要なハザードを特定したら、各工程でどの様な管理をするかを決定します。つまりCL設定です。CL設定は製造する食品の種類、製造機器などによって条件は様々なので、じっくり検討する必要があります。

ここで必要になるのが製造機器のバックデータ採取です。確実にCLに達したかどうかを判断する必要があるので、CLに最も達しにくい個所をその製造機器で設定しておく必要があります。実際に審査でそのバックデータも見られるので、よく確認しておきましょう。

一般的な例としては加熱工程(温度と保持時間)、殺菌工程(次亜塩素酸殺菌など)、金属検出器、X線などが挙げられます。

アレルゲンの危害分析について

HACCPの危害分析において、洗浄不足や管理不足によるアレルゲンの混入は化学的危害に分類されます。特に重篤なアレルゲンのコンタミネーション(以下略:コンタミ)は生命に関わる事故につながるので管理が必要になります。具体的な管理方法としては、以下の2つの具体的な手順で決められています。

  1. ラインを混同して製造している旨を表記する
  2. しっかり洗浄してコンタミが発生しない製造環境をつくる

それでは1つ1つ説明していきましょう。

1については工場の動線上どうにもできない場合に取る方法で、生産者側としては楽ですが、アレルギー疾患を持つ消費者の商品選択の幅が狭くなってしまうというのが欠点です。

そこで2の対策が登場します。簡単に言うと清掃してアレルゲンを除去するというものですが、アレルゲンは目に見えないので、問題なく清掃できたかどうかはアレルゲンのタンパクを検出してくれる専用の検査キットが必要になります。

例えば、製麺行程のある工場は小麦や蕎麦の飛散により、隣のラインへのコンタミが懸念されたりもします。しっかり清掃して清掃できたか検査キットで確認する流れが重要になります。

まとめ

最終的に言えるのが、現場が出来る現実的なHACCP運用が重要です。動線上、設備上できないHACCP運用は結果的に会社を苦しめてしまうことにもなりかねません。

ポイントを押さえて会議で共有して運用して行きましょう!

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この記事を書いたライター
久坂精一

品質管理として社内の様々な事業部のISO22000、HACCP取得に向けて取り組みをしてきました。
現在は商品開発を担当しながら、ISOコンサルティング会社の研究会に所属しています。
趣味は学生の頃から継続しているマラソンで、2時間30分台が目標です。

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