HACCPの資格や認証について解説!認証の種類や取得すると役立つ資格は?

HACCPの資格や認証について解説!認証の種類や取得すると役立つ資格は? HACCP

HACCPは食品工場や小規模事業者、飲食店の食の安全を守る上で重要な食品安全システムです。最近は事業規模ごとにHACCP運用基準を分けられ、義務化がされるまでになりました。そういった状況の中でHACCPを外部認証しようとする組織や、HACCP関連の資格にチャレンジしようとする方も多くなってきたのではないでしょうか?

そこで以下の方を対象に記事を作成しました。

  • HACCP関連の資格にはどの様なものがあるのか知りたい
  • HACCP関連の資格をどう活用していくべきか知りたい
  • 企業が受診するHACCPのポイントについて知りたい

以下記事で解説していきます。

HACCPの資格の活かし方について

デスク

HACCP関連の資格をどの様に活かすべきか、活用方法について解説します。具体的にHACCP関連の資格は大きく分けて以下の2パターンに分けられます。

  • HACCPの専門知識をつけて社内の食品安全エキスパートになる
  • HACCPやISOの専門知識をつけて審査員やコンサルタントとして活躍する

以下で解説していきます。

HACCPの専門知識をつけて社内の食品安全エキスパートになる

まず社内でHACCPの専門知識をつけてエキスパートになる方法です。この場合目標は社内で「あの人はHACCPについて知識がある」という認識を周りに持ってもらえれば良いので、難解でコストもかかる資格を取得しなくとも、研修の終了証があれば問題ありません。HACCPに取り組んでいる会社であれば組合のHACCP研修であったり、HACCPの基礎勉強会に参加する機会は多いと思います。大抵の場合、品質管理担当者がこれらの研修会に参加する傾向がありますが、品質管理担当者以外でも興味のある方はどんどんチャレンジしていくべきです。

HACCPはトップダウンも重要ですが、実際にHACCPの知識を用いてリードする人材が必要です。また、事務局として事前に審査機関に提出する書類を準備する業務もあり、危害地図など工場内にどのような工程危害が潜んでいるのかなどの専門的知識が必要になるので、研修で知識を得ておくことは効果的です。この場合研修費用も全て会社が支払ってくれるわけですから、実質無料で勉強会に参加できるのでチャレンジしていきましょう。

HACCPやISOの専門知識をつけて審査員やコンサルタントとして活躍する

コンサルタント

次にHACCPやISOの専門知識をつけて社外でも活躍するという方法です。これには時間とコストがかかるというデメリットがありますが、組織内でもうまくアピールすればHACCP運用で発言力を持つことができます。また大きなメリットとして自分自身のキャリア形成に役立ちます。私の場合ISO審査員の資格関連は全て自費で取得しましたが、そこから広がる人間関係は極めて貴重なものでした。そこからしか得られない少数の勉強会の参加や、業界の最新情報などが入ってくる機会も増えたのでチャレンジする価値はあります。このようなメリットを享受するには、資格取得後の勉強や様々な人の知見に触れるなどの自己研鑽が必要になりますので、そこまで時間を使えないという方にはあまりおすすめできませんが、現在の組織以外でも活躍したい方にはおすすめできます。

また、定年後は自分の業界で経験したことを生かすことになるかと思うので、自身の知見を活かしたISOの審査員やコンサルタントはかなり良い選択肢と言えます。

HACCP関連の資格取得は必要なのか?

HACCP関連の資格取得は必要なのかは人によると言えます。

社内でHACCPの専門家として活躍するのであれば、わざわざ難しい資格にチャレンジする必要はなく、組合のHACCP研修会などに参加して終了証だけ貰えれば十分でしょう。一方、組織外のキャリア形成に使おうとするならば、ISOなど食品安全全般を網羅した資格を取得しておくことが望ましいです。その為の足掛かりとして組合などの一般的なHACCP研修を受講して理解を深めることは有効です。

またHACCP関連の資格は国家資格ではありませんので、資格を持った人だけの専業にはなりません。つまり資格がなくとも知識が盤石であれば人や企業に教えることもできるのです。HACCP関連の資格は様々あるので、自分や社会のニーズに合った資格を取得するようにしたいですが、なるべく世界の標準であるCODEX規格のHACCPを学ぶことがおすすめです。

HACCPの各資格について

学習

次にHACCPの各資格について解説していきます。国内で開催されているHACCP関連の資格には以下の内容があります。

  • HACCP普及指導員
  • HACCPコーディネーター
  • HACCP管理者資格
  • HACCPリーダー
  • 組合HACCP
  • ISO22000審査員

HACCP普及指導員

HACCP普及指導員は厚生労働省によるHACCP義務化に合わせて、中小企業のHACCP導入をサポートできる人材に対して与えられるものです。公益財団法人日本食品衛生協会が認定者となっており、時代に即した資格と言えましょう。

私の周りには中小企業診断士の方で街づくりに貢献しようとする方が、HACCP学習の足掛かりとして受講される方が多いです。

HACCPコーディネーター

HACCPコーディネーターは、JHTC(日本HACCPトレーニングセンター)が主催する資格であり、取得するとコンサルタント登録が出来て活動の幅が広がるのが大きな特徴です。HACCPのコンサルティングは国家資格が必要というわけではないので、HACCPの知識が盤石であれば自分で活動の範囲を広げていくことができます。HACCPの知識はあるけれども最初に人脈がなくてどうやって活動して行こうか悩んでいる方にはオススメの資格です。

またHACCPコーディネーターのポイントとしてはHACCPの中で最も世界で標準的な規格であるCODEX規格のHACCPを学ぶことができるという点です。

HACCP管理者資格

HACCP管理者資格は、日本食品保蔵科学会が認定する資格です。HACCP資格としては基礎科目認定とHACCPワークショップ認定に分けられており、実践的な資格と言えます。

基礎科目認定は大学、大学院、専門学校で食品衛生などの科学的知識があるかどうかを問われ、同等性が認められた科目を申請して認定を受ける形になります。

HACCPワークショップ認定は3日間かけて行われ、実際に製造現場でのHACCPプラン作成までカリキュラムに組まれており、危害分析など食品安全に関わる洞察力が問われることになります。グループ討議なども行われるのでかなり本格的な食品安全資格と言えるでしょう。

学生の時に食品科学やHACCPを学んだけれども、実際の現場でどの様に活かすべきかイメージが湧かない方にとって良い資格だと感じます。資格は4年間有効で、ISOのCPDの様に書類審査や講義を受講する必要があるので定期的に知識のアップデートも出来る資格です。

HACCP管理資格者を取得することは、食品衛生法で定められた「HACCPに沿った衛生管理」についても対応できる知識を持つと認められることになるので、スペシャリスト育成には効果的でしょう。

HACCPリーダー

HACCPリーダーは、フードチェーン関連事業に関する実務経験や食品安全マネジメント関連分野での実務経験が前提の資格となります。運営は一般財団法人日本規格協会が行っており、3日間の研修と試験があります。

世界の標準規格であるCODEXHACCPを学ぶことができ、更にISO22000と絡めたHACCPの役割まで学ぶこともできます。ISO22000を学ぶことはISO9001を学ぶことにもなり、内部監査の運営やリスク管理までを学ぶことにもつながるので広い範囲を学ぶことができます。これからISO22000の審査員資格の取得を考えている方や、会社でHACCP事務局になる方にはオススメです。ハードルは高いですが得られるものは大きいです。

組合HACCP

組合ギルド

組合HACCPには様々なものがありますが、有名なものにNDFHACCPなどがあります。大手コンビニチェーンのHACCPで日本デリカフーズ協同組合の略です。

既に組合がパッケージしたマニュアルがあるので、HACCPにこれまでチャレンジしてこなかった工場でも取り組みやすい様にやるべきことが明確になっています。

最近はHACCP義務化に伴って、組合のHACCPではなくJFS規格を取得する方向にシフトしている傾向にあります。また、組合HACCPは同じ商品を製造している別の工場と情報交換も出来るので、自分たちの運用がうまくいかない個所を他工場に教えてもらうことも出来るので、非常に良いシステムです。

この組合HACCPは大手コンビニチェーンが主体となりCODEX規格のHACCPを各会社から代表者を受講させることがあります。私も最初にHACCPに触れたのは組合が主催のHACCP勉強会が最初でした。3日間の研修でかなり大変なのですが、危害分析からHACCPプランの作成まで指導してくれるのでかなり勉強になりました。

ISO22000審査員

続いてISO22000審査員資格です。これは取得にコストと時間がかかります。

審査の範囲を日本に限定するJRCAと世界の審査も可能なIRCAの審査員資格を選択することができ、取得にはフードチェーンでの実務経験と、5日間の研修と最終日の筆記試験での合格が必要になります。研修では講義のほかに食品工場での疑似審査からHACCPプランの作成まで実に様々な力量が要求されます。日頃HACCPに関わる人にとっては危害分析も危害地図の読み方も慣れているかと思うのでクリアできるかと思います。

筆記試験は予め準備しておく必要があります。実際の審査で経営者にインタビューすべきことや、食品安全を守るために必要な基礎知識の問題も出るので、食中毒菌の知識やその対策についても勉強しておくと良いでしょう。

取得後も1年に1度CPDという継続能力開発の記録提出が要求されるので、食品安全に関わるレポートを提出したり、研修機関での研修に参加するなどの活動記録が必要になります。研修に参加すると自分で課題を考えてレポートを提出する手間は省けますが、2万円近くコストはかかります。

HACCPの資格は必要なのか?

審査員

これまでHACCPの資格について解説してきましたが、必要なのかはその方が目指すべき方向によると言えます。HACCPやISO22000など食品安全の資格であれば、コンサルタントや審査員などの活かし方はあるかと思いますが、社内で役立てる為にも効果的です。特にHACCPで重要なのは知識以上に現場で決めたルールを定着させていく力です。

現在は食品メーカーだけでなく小規模事業者にもHACCP義務化の流れは押し寄せてきており、知識だけでなくうまくルールに落とし込める人材が求められています。組織で受診する場合にも、事前に提出する書類にはどういったものが必要で、その為には今何をすべきかを作戦立てる力量が求められます。また、CCPや一般衛生管理も数日で構築することも不可能で、細かな検証や妥当性確認、現場での折衝力が必要になります。そういった時に専門知識のある人材がいることは非常に重要です。

ISO22000の審査員資格取得について

HACCPを学ぶのであれば最終的な学習のゴールとしてISO22000の審査員資格が視野に入ってくるでしょう。ISO22000はHACCPの知識に加えてISO9001の知識も必要になってきます。

HACCPは運用面での内容が殆どになりますが、ISO9001の要素が入ってくるとHACCPを組織立てる構造まで考える必要が出てくるので、食品安全の専門家を目指すのであればISO22000の審査員資格を目指すことも視野に入れるのもよいかと思います。毎年CPDによる学習の機会があるので、勉強を続けるきっかけにもなります。

企業が得られるHACCPの認定資格について

次に企業が受診して認定を受けられるHACCPの資格について解説します。厚生労働省が主体となってHACCP義務化に向けて既に動き出していますが、その流れは食品メーカーだけでなく小規模事業者や飲食店にまで及んでいます。数あるHACCPの中でどのHACCPを選択すべきか悩む企業は多いと思いますが、これからの情勢を見てCODEXHACCPやJFS規格など世界基準と近いものを受診するのが良いでしょう。既に廃止が決まっている総合衛生管理製造過程を受診したりすることはおすすめできません。

また、最終的に組織立って食品安全を高めていきたいのであればISO22000やFSSC22000の認証を取得することを視野に入れることも必要でしょう。

まとめ

今回はHACCPに関する資格について解説しました。食品安全の規格でも実に様々な資格がある為、自分に合った資格はどれなのかを見極めて勉強されると良いかと思います。

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この記事を書いたライター
久坂精一

品質管理として社内の様々な事業部のISO22000、HACCP取得に向けて取り組みをしてきました。
現在は商品開発を担当しながら、ISOコンサルティング会社の研究会に所属しています。
趣味は学生の頃から継続しているマラソンで、2時間30分台が目標です。

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