一般衛生管理について解説!HACCP導入の前に盤石にしておきたい管理項目とは?

一般衛生管理について解説!HACCP導入の前に盤石にしておきたい管理項目とは? HACCP

本記事ではHACCPにおいて重要な一般衛生管理について解説していきます。以前に一般衛生管理については以下記事で概要を解説致しました。【HACCPにおける一般衛生管理とは?CCPとの関係や計画書の作成について解説!

今回の記事では、一般衛生管理のより具体的な内容について解説していきます。

本記事は以下の方を対象にしています。

  • HACCPにおける一般衛生管理について知りたい
  • 一般衛生管理にも種類があるが、違いについて知りたい
  • 一般衛生管理と5S、7Sの関係について知りたい

以下で解説して参ります。

HACCPで一般衛生管理が重要である理由

HACCPで一般衛生管理が重要である理由は、HACCPシステムが一般衛生管理が盤石であることを前提に構築されるもので、CCPを設定したから確実に食品安全が守られる訳ではないということです。例えば、食品の製造中に規定通り温度を上げても製造環境が不潔であったり、不快害虫がたくさんいるような場所で製造した食品は食品安全上危険だということです。食品工場として然るべき製造環境でCCP管理された食品がHACCP対応の食品と言えるのです。

一般衛生管理とは?

衛生管理

食品の安全性確保は一般衛生を確実に行うことで実現できるもので、CCPは一般衛生管理による管理をより確実にするとどめに当たるものです。

HACCP構築において前提となる一般衛生管理は、以下の9項目から構成されます。

  1. 施設の保守点検及び衛生管理
  2. 設備及び機械器具の保守点検及び衛生管理
  3. 食品等の衛生的取り扱い
  4. 従事者の衛生教育及び衛生管理
  5. そ族・昆虫の防除
  6. 使用水の衛生管理
  7. 排水及び廃棄物の衛生管理
  8. 製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検
  9. 製品の回収方法

以下で解説していきます。

施設の保守点検及び衛生管理

HACCPに重要な一般衛生管理に施設の保守点検及び衛生管理が挙げられます。安全な食品の製造には施設の保守点検は欠かせません。例えば要冷蔵の商品を取り扱う工場であれば空調設備が生命線となる様に、重要箇所の保守点検は毎日欠かさず行うようにしましょう。また製造に直接かかわらない設備についても老朽化や汚れにより異物混入に繋がる可能性があるので、清潔に保つ必要があります。

設備及び機械器具の保守点検及び衛生管理

HACCPに重要な一般衛生管理に、製造機器の保守点検や清掃による衛生管理は重要になります。保守点検や衛生管理を行うことで、製造機器の部品が落下して食品に混入するリスクや、製造機器に残った食品残渣による食中毒菌の増殖を防ぐことに繋がります。

食品等の衛生的取り扱い

HACCPに重要な一般衛生管理に食品等の衛生的な取り扱いは重要になります。つまり原材料の受け入れ工程から加工・出荷まで衛生的な取り扱いができる様にする必要があり、その為に交差汚染対策や2次汚染対策などを従業員に周知する必要があります。衛生的管理を実現するためには作業の良し悪しをデータをもとに従業員へ説明し、納得して作業してもらうのがポイントです。また交差汚染が発生しないように治具を使い分けたり、動線を考慮して清潔区と汚染区を分けて管理することが効果的です。

従事者の衛生教育及び衛生管理

HACCPに重要な一般衛生管理には、従業員への衛生教育や衛生管理が挙げられます。衛生教育については手洗いの効果や温度管理と食中毒の関係などの一般論に加えて、工場内の製造工程で実際に菌数の高かった箇所や、汚染が確認された具材の検査結果をもとに共有することが重要です。また衛生管理については、作業着を清潔に保つことや毎日の入浴やブラッシングが食品安全上重要であるということを何度も伝えることが重要になります。

そ族・昆虫の防除

HACCPに重要な一般衛生管理には、そ族・昆虫の防除が挙げられます。そ族は工場内を歩き回ることで食中毒菌を食品に媒介しますし、昆虫は商品に混入して物理的危害や心理的な苦痛につながりかねないです。防虫防鼠業者のインスペクションを通じて管理して対策を打つことが重要になります。

ネズミ

使用水の衛生管理

HACCPに重要な一般衛生管理には使用水の衛生管理が挙げられます。工場で使用する水を受水槽で管理したり、井戸水を使用している場合は適切な頻度で水質検査を実施する必要があります。日々測定する場所は工場内の蛇口での管理が適切で、毎日の検査の他に数か月に1度、指定項目(約50項目)の水質検査を要求されます。

排水及び廃棄物の衛生管理

HACCPに重要な一般衛生管理には排水及び廃棄物の衛生管理は重要です。排水にも基準があるので、洗浄の薬剤等を規定量以上流すと問題があります。排水処理施設は浄化に微生物を利用しているところもあり、規定から外れた排水を流すと微生物が死滅して浄化能力に悪影響を及ぼすためです。

また廃棄物の衛生管理も重要です。生ごみなどは適切な管理をしないと微生物や害虫の発生源となり、異物混入にも繋がります。また、生ごみは家畜の飼料としてリサイクル可能なので、契約している工場は廃棄物の管理基準を守る必要があります。

製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検

HACCPに重要な一般衛生管理には製品等の試験検査に用いる機械器具の保守点検が重要です。一般衛生管理での試験検査の合格が前提で、とどめとしてCCPを設定することもあるので必ず機械器具の保守点検は行いましょう。精度管理の定期検査期間が機器によって設定されていますので、機械メーカーに確認しながら保守点検をしましょう。

製品の回収方法

HACCPに重要な一般衛生管理には製品の回収方法を明確にすることが挙げられます。商品の回収事故が発生した際には迅速な対応が求められ、特に食中毒など食品危害に関わることであればスムーズな回収対応が重要です。商品回収が発生した時の連絡経路や行動基準を明記したマニュアルや、関係者に対して訓練を実施ししておきましょう。

一般衛生管理構築の注意点

一般衛生管理を構築する際には注意点があり、このポイントを守らないと一般衛生管理を構築しようとしても結果的にうまくいかないことが多いです。一般衛生管理で具体的に注意すべきポイントとして以下の2つが挙げられます。

  • 誰にでも理解できるマニュアルにする
  • 現場の作業に即したマニュアルにする

以下で解説していきます。

誰にでも理解できるマニュアルにする

一般衛生管理のマニュアルを誰にでも理解できるようにすることは重要です。製造現場には様々な国籍の方がいるのが一般的で、全ての方が日本語を理解できるとは限らないのでマニュアル自体をわかりやすくする必要がなります。具体的には文字での解説をできる限り少なくしたり、写真を多用したりすると良いでしょう。私が行ってきた中で最も効果的だったのは現場の方と一緒になってマニュアルを作成することです。そうすることでマニュアル自体の意図も伝わりますし、マニュアルを一緒に作成してくれた従業員の方が周囲に都度教育してくれるからです。製造現場との関係を良好に保つことは食品安全において非常に重要ですので、図1.わかりやすい作業マニュアル例の様に、マニュアルを一緒に作成することは非常に有効でしょう。

図1.わかりやすい作業マニュアル例

現場の作業に即したマニュアルにする

一般衛生管理のマニュアルを作成するにあたり、現場の作業に適したマニュアルにすることは重要です。理由は作業的に無理のあるマニュアルは作成しても守られないからです。具体的に作業に即したマニュアル作成はどのように作成すべきかというと、マニュアルを作成する人が実際にその作業をやってみるということです。一緒に作業をする中で、安全性や製造の合間にその作業が可能なのかを考えることになります。現場とコンセンサスを取ったうえで作成したマニュアルであれば守ってもらえる可能性がかなり高まりますし、問題があったときに現場から相談してくれる可能性も高まります。

一般衛生管理と7Sの関係について

一般衛生管理を構築するのに指標とするものに7Sが挙げられます。特に食品工場においては7Sを遵守すれば自然と盤石な一般衛生管理を築くことができることになります。

7Sとは工業分野で用いられている5S(整理・整頓・清掃・洗浄・躾)のローマ字の頭文字を取ったものに食品衛生で必須の洗浄と殺菌の2項目を加えたものです。食品衛生7Sは、まず5Sが盤石になってから取り組むのが効果的で、理由は全従業員が5Sの目的を理解して、決まったことを守り協力する心が必要になるからです。つまりその協力しようとする心が5Sに登場する躾になり、5Sが盤石でないと7Sは構築できません。5SによりSOP(標準作業手順書)を作成し、7SによりSSOP(衛生標準作業手順書)を作成するといった流れです。

7Sの場合、乾燥状態での作業が清掃にあたり、水や洗剤を使用した湿潤状態での清掃が洗浄にあたります。そして微生物の菌数減少を目的とした作業工程が殺菌に当たります。

7Sが盤石になればHACCPだけでなくISO9001やISO22000にも十分対応できるでしょう。

一般衛生管理にも種類がある

HACCPと一般衛生管理について解説してきましたが、役割ごとに更に細かく分類することができます。具体的には以下の内容が挙げられます。

  • PP、PRP、GMPについて
  • OPRPについて
  • SSOPについて

以下でその具体例について解説していきます。

PP、PRP、GMPについて

PPとPRPは両方とも一般衛生管理を指し、HACCPをより効果的なものにするための前提条件として管理すべき項目です。7Sを意識すると自然と構築されるものであり、一般的な表現としてGMP(適正製造規範)と言われるものと同じ定義になります。

OPRPについて

OPRPはPRPやPPと同じく一般衛生管理を指しますが、CCPに準じた管理が必要なPRPになります。つまりCLは設定しなくとも管理基準を設ける必要のあるPRPです。OPRPはその場でモニタリングできる科学的根拠に基づいた基準を設けるのがポイントで、例を挙げると製造担当者の手の生菌数を測定し、その結果設定した対策を順守し記録するなどがあります。この場合、簡易測定はルミテスターなどを使用し、対策は手袋交換とアルコール噴霧を30分に1回行うなどが具体的基準となります。

一方、PRPであれば具体的な基準は必要ないことになります。つまり、CCPは食品からハザードを除去するもので、OPRPは作業環境のハザードを除去するものと考えて問題ないでしょう。OPRPを設定すべきかどうかは、CCPを取ってもどうしても心配な作業がある場合に、その心配な工程にOPRPを設けるのが良いでしょう。

SSOPについて

一般衛生管理で欠かせないのがSSOPです。HACCPにおいてPRPが重要であることは既に解説しましたが、PRPを確実に社内で実行してもらうために必要なのがSSOPになります。SSOPはPRPの各作業の目的、方法、記録手法、担当者など、詳細を明確化したもので、PRPを「いつ、どこで、誰が、何を、どのようにするか」を明確に示したものになります。PRPを遵守して高いレベルの食品安全を目指すのであれば理解のしやすさが最優先ですので、SSOP作成時には必ず図や写真を用いてわかりやすくなるようにしましょう。

まとめ

今回は一般衛生管理について深堀して解説しました。PRPやOPRP、CCPの違いは基準が難しく設定する際に悩まれる事業者様も多いかと思いますが、本記事が役に立てば幸いです。

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この記事を書いたライター
久坂精一

品質管理として社内の様々な事業部のISO22000、HACCP取得に向けて取り組みをしてきました。
現在は商品開発を担当しながら、ISOコンサルティング会社の研究会に所属しています。
趣味は学生の頃から継続しているマラソンで、2時間30分台が目標です。

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