HACCPの導入手順について解説~具体的な内容や手順の確立方法は?

HACCPの導入手順について解説~具体的な内容や手順の確立方法は? HACCP

今回はHACCPの具体的な導入手順について解説致します。本記事では以下の方を対象にしています。

・HACCPの導入手順について知りたい

・12手順の具体的な方法について知りたい

・12手順に必要な製造工程図の作成例を知りたい

・HACCP導入時の注意事項について知りたい

以下記事で解説して行きます。

HACCP12手順の具体的な内容は?

まずHACCP導入の具体的な手順について解説して行きます。HACCPの導入は具体的に12の手順で導入することになります。

12手順のうち、手順6から手順12についてはHACCPの7原則になり、食品の安全性を科学的な面から担保する核となる部分です。手順1から手順5までは以下で解説して行きます。

HACCP手順1.HACCPチームの編成

チームワーク

HACCP構築で最初に行う手順としてHACCPチームの編成があります。HACCPチームの編成は、社内でHACCPの専門家チームを作るということですが、選出されたメンバーにより食品安全の情報量が変わってきます。

HACCPチームは品質管理担当者など商品管理に関わる人だけで構成されると思われがちですが、現場からなど多くの部門から集めた方が効率よく運用することができます。また、社内にHACCPを構築する専門家がいない場合は外部から専門家を呼んでHACCPチームを構成することもできるのです。具体的に食品安全の専門家と言うと、コンサルタントなど個人の専門家、厚生労働省など行政機関の職員などが挙げられます。

社内に適役がいなければ、相談できる人をHACCPチームに入れてみましょう。本来であればコスト的にも社内の人員でHACCPチームを構成したいところですが、実際に食品安全の知識を持って指導できる人がいないとHACCPが自己流になり、食品安全が危険に脅かされることに繋がります。

こうして編成されたHACCPチームで手順2から手順5の事前準備、および手順6から手順12までのHACCP計画を作成して行きます。HACCPチームリーダについては先に述べたとおりですが、その他のメンバーは可能な限り製造に直接携わる人を入れましょう。具体的には製造の責任者が適役で、理由は製品に詳しく現場のことを熟知している上、実行権限を持っているからです。工場の全工程を網羅できるようにチームを組むといいでしょう。

HACCPチームを編成した後は、メンバー間の知識レベルをすり合わせることです。準備として研修や勉強会などを行うのが効果的で、食品安全の専門家を招いてセミナーを実施してもらうことも有効でしょう。実際に専門家も社内に常駐しないとなかなかその組織の問題点や改善すべき点まで見つけて改善することもできないので、早期の段階でチームとして一緒に活動するといいでしょう。

私も実際にHACCP構築の為に2か月ほど組織に専門家として常駐していたことがありますが、実に様々な課題が見えてきます。

HACCP手順2.製品説明書の作成

食品_製品説明書

HACCP構築の手順2は製品説明書の作成です。製品説明書は販売されている食品の食べ方や対象消費者や保管方法などが記載された取扱説明書のようなものです。

HACCP手順3.意図する用途及び対象となる消費者の確認

HACCP構築の手順の3は意図する用途及び対象となる消費者の確認です。これは製品説明書作成の段階で一緒に作成することが多いです。製品説明書の詳細は以下記事で解説しておりますので、確認してみてください。

HACCPの製品説明書について解説!必要項目や作成手順、具体的な書式は?

製品の安全を考えるためには、まず製品についてよく知ることが重要です。製品説明書内に記載する意図する用途及び対象となる消費者は、既にある製品のラベルの記載内容を参考に作成するとスムーズです。

また、製品説明書は製品ごとに作成する必要がり、食品の安全性に関係のある項目、例えばpHや水分活性、塩分濃度等も記載します。また、容器包材の仕様についても記載する必要があるので、購入する原材料メーカーから容器の製品規格書を取り寄せておくと良いでしょう。

また、製品の用途や対象となる消費者によってとるべき安全への対策も変わり、製品の食べ方や使用方法、想定する消費者を具体的に記載します。これらを手順2の製品説明書の中に一緒に記載すると、わかりやすくまとめることができます。

HACCP手順4.製造工程一覧図の作成

HACCP12手順の4つ目は、製造工程図の作成です。製造工程図は工程の全体を把握できるフローダイヤグラムを作成することです。フローダイヤグラムがあることで、原材料の入庫から保管、製造工程や、どの段階で危害が取り除かれるかを明確にすることが出来ます。

手順1のHACCPチームの編成で様々な部門から人員を集めたのは、製造工程図をより実務に沿った内容にする為でもあります。製造工程図では、すでに社内で共有されていることでも全て書き出しておく必要があります。書面にしてみることで、勘違いしていた部分や間違っていた部分が明確になるからです。

以下で具体的な製造工程図について解説しますので、まずは図1.製造工程一覧図をご覧ください。

図1.製造工程図一覧
図1.製造工程図一覧

この図はある商品に使用する具材の製造工程の一部で、食品の数だけこの表の作り方はあります。ハムソーセージや缶詰食品、冷凍食品など食品によってCCPは違ってきますし、工程の順序も変わってきます。あくまで一例となりますが、今回はこの図を例にとって解説します。

原材料の納入工程

HACCPの製造工程図作成では、まず原材料の納入工程から入力します。

次の図2.製造工程一覧図 入庫工程の様に、危害のある原材料については色分けしておきます。

図2.製造工程図 入庫
図2.製造工程図 入庫

この場合ハザードを持つのは豚肉や原菜の青ネギ、レタスですので、それぞれ食中毒菌、骨、砂などの硬質異物などが含まれることが分かる様に色分けして明確にします。

原材料の保管

HACCPの製造工程図作成では、次に原材料を保管する場所について記載します。

次の図3.製造工程一覧図 保管工程を参照してください。

図3.製造工程図 保管
図3.製造工程図 保管

常温保管、冷蔵保管、冷凍保管と原材料の特性により保管条件が異なりますので、納入後は必要な温度帯に必ず保管する様にしましょう。

計量・下処理工程

HACCPの製造工程図作成では、次に計量・下処理工程について記載します。調味料を量り込んだり、原材料を切る工程になります。

次の図4.製造工程一覧図 計量・下処理工程をご参照ください。

図4.製造工程図 計量・下処理
図4.製造工程図 計量・下処理

ここはまだCCP工程ではないので、原材料のハザードは残ったままです。赤い線はそのまま残しておきましょう。

製造工程

原材料、野菜

HACCPの製造工程図作成では、次に製造工程について記載します。調理するものは加熱・冷却工程、洗浄や殺菌が必要となる野菜は殺菌工程がそれぞれCCPになります。

次の図5.製造工程一覧図 製造工程をご参照ください。

図5.製造工程図 製造
図5.製造工程図 製造

ここに記載された青枠で囲まれた部分がCCPに該当する部分です。この場合は加熱冷却工程、野菜の殺菌工程がCCPになりハザードが除去されるので、赤い線が取れることになります。ここから先は食材のハザードが除去されるので、食材の2次汚染に注意です。取り扱う食材が清潔品になりますので、ハザードマップ上は食材が通る動線は清潔区にしておく必要があります。逆に、原料を計量する場所や保管する場所は汚染区となりますので、ハザードマップを作成する際はその動線は汚染区とする必要があります。ハザードが除去された食材が汚染区に戻らない様に動線やレイアウトを工夫しましょう。

トッピングなどの成型~出荷

HACCPの製造工程図作成では、調理した具材を盛り付けて商品としてトッピング(以下略:成型)して、出荷する工程です。図6.製造工程一覧図 保管~出荷をご参照ください。

図6.製造工程図 成型出荷
図6.製造工程一覧図 保管~出荷

成型はCCP以降の工程となるので、この先にハザードを除去することができません。食材が汚染されることがないように注意しましょう。成型用の機械や人の手を洗浄・殺菌することが2次汚染防止のポイントになります。

HACCP手順5.製造工程一覧図の現場確認

食品工場現場

HACCP12手順の5つ目は、製造工程一覧図を作成した後に製造現場で同じ工程が踏まれているか確認する工程です。工程図と照らし合わせて、予定通りの手順で製造されているか、機械や備品の設備場所は図面通りかなどを確認します。

製造工程一覧図の現場確認を行うことで、交差汚染箇所や想定していた工程の差異を発見できたり、机上ではわからなかったことに気づくことができます。製造工程一覧図の現場確認でルール通りに運用がされていない場合は、正しい工程に修正する必要がありますが、どうしてもルールが徹底されない場合は現場担当者にルールを守れない事情を確認しましょう。作業上無理があってルールが徹底できないのであれば手順を変更する必要があります。

具体的には食品衛生上問題のない運用となるように、現場担当者が確実にできる作業内容に変更するということです。理由は、製造現場ができない作業を押し付けた場合のしわ寄せは食品の安全性に来る為です。

必ず現場ができる作業で食品安全を考えることがポイントになります。変更した手順の妥当性を確認する為に、新しい作業内容での衛生状態については必ず確認しておきましょう。

例えば、製造後に清掃が不十分だった場合を例にしましょう。清掃ができなかった理由を製造の人員と打ち合わせるうちに、どうやら清掃手順がスケジュール的に無理があることが分かり、清掃方法を変更したとします。そこで重要なのが、その変更した清掃方法で再度現場のふき取り検査や商品の細菌検査を実施して衛生状態を確認するということです。そこで問題がなければ清掃方法として妥当な方法だといえますが、そうでなかった場合は清掃方法が妥当ではないことになりますので、再度別の方法を検討する必要があります。その際に現場担当者だけではなく、マネージャーも立ち会ってもらい、清掃方法を決めるHACCP会議にも出席してもらうといいでしょう。

HACCP会議に参加することで、マネージャーが現場を管理するときの視点も磨かれていくのです。HACCP審査でルールの運用を聞かれるのもHACCPチームメンバーになるので、製造のマネージャーが製造工程や社内で抱えている問題点を全メンバーが熟知していていることは重要です。

HACCP手順6~12.

ここから先の6~12の手順はHACCPの7原則と共通になります。

詳細は以下記事で解説しておりますのでご参照下さい。

HACCPの7原則について解説!なぜ必要なのか?具体的な方法は?

まとめ

今回はHACCPの12手順について解説しました。少し難解な表現もあるので取り組みにくいのがHACCPですが、ひとつずつ読み解いて12手順に沿って導入して行きましょう。HACCPに自己流で取り組んでしまうと後ほど苦労することになるので、手順に沿って導入するのがおすすめです。

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この記事を書いたライター
久坂精一

品質管理として社内の様々な事業部のISO22000、HACCP取得に向けて取り組みをしてきました。
現在は商品開発を担当しながら、ISOコンサルティング会社の研究会に所属しています。
趣味は学生の頃から継続しているマラソンで、2時間30分台が目標です。

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