HACCPの製品説明書について解説!必要項目や作成手順、具体的な書式は?

HACCPの製品説明書について解説!必要項目や作成手順、具体的な書式は? HACCP

今回はHACCPの手順に登場する製品説明書について解説していきます。本記事は以下の方を対象にしています。

・HACCPの手順に登場する製品説明書とはどういうもの?

・製品説明書にはどの様な項目を記載しなくてはならないのか?

・製品説明書がないとどうなるのか?

・製品説明書の作成サンプルを見たい。

以下記事で解説していきます。

製品説明書とは?

HACCPの手順に登場する製品説明書は、消費者や流通業者が食品の取り扱い方がわかるように解説した取扱説明書のようなものです。世の中に数多くの食品がある様に、購入する消費者もアレルゲン疾患を持っている方や硬いものが食べられない高齢者の方など様々です。メーカーは、食品だけでなく消費者が商品を食べられるかどうかの判断基準も提供する必要があり、そこで役立つのが製品説明書なのです。

製品説明書に必要な項目とは?

HACCPの製品説明書には以下の記載項目があります。決まった書式があるわけではありませんが、まずはこの内容に沿って作成しましょう。

  1. 名称
  2. 種類
  3. 原材料の名称
  4. 添加物の名称
  5. 包装の形態および材質
  6. 性状及び特性
  7. 流通条件
  8. 加工処理法
  9. 製品の規格
  10. 消費期限または賞味期限
  11. 喫食または利用方法
  12. 表示上の指示
  13. 販売等の対象とする消費者層

これらを具体的に表示したものが製品説明書です。記事の後半では製品説明書の具体例を挙げますので参考にしてみてください。製品規格書があることで従業員が商品の適切な取り扱いができたり、アレルゲンなどの危害要因対策に効果を発揮するメリットもあります。

以下で記載事項を1つずつ解説していきます。

①    名称

HACCPの製品説明書における商品の名称は、発売する商品の名前をそのまま記載します。

審査用に書類を準備するのであれば、商品ファイルの背表紙と名称をそのまま合わせておくと管理しやすいでしょう。

②    種類

HACCPの製品説明書における商品の種類には様々な記載方法がありますが、商品のカテゴリー分類を記載すると良いでしょう。例えば調理麺、総菜、サラダなどといった分類です。HACCPは現状としてCODEX規格に合わせようとする動きがありますが、自治体や組合のものなど様々な種類が存在します。受診するHACCPの種類にもよりますが、組合などでカテゴリー分けされているのであれば組合のルールに従って分類しましょう。また、カテゴリー分けなどがされていない場合は具体的にどの様な商品なのかを明確にする必要があります。例えば、冷凍クリームコロッケを例にとれば、以下の表2. 冷凍カニクリームコロッケの製品説明書例に記載している様に、冷凍前に加熱済みで、加熱後に摂取する冷凍食品といった記載にするとわかりやすいでしょう。

③    原材料の名称

HACCPの製品説明書における原材料の名称については、製品中に使用される原材料の名称を記載します。製品説明書の書式にもよりますが、原材料情報の項目にアレルゲン情報を一緒に入れる場合もあります。製品説明書によってはアレルゲンだけを独立させて表示させることもありますが、HACCPチームの考え方によって変わってきますので作成の根拠を明確にして審査で答えられるようにしておきましょう。

④    添加物の名称

HACCPの製品説明書における添加物の名称については、そのまま添加物名称を記入します。商品のラベルに記載されている内容をそのまま記入しても良いでしょう。

⑤    包装の形態および材質

HACCPの製品説明書における包装の形態、材質については、それらに使用されている材質や包装形態について記載します。下記の表1.電子レンジパスタ製品説明書例の様に、パック包装やピロー包装、テトラパック包装など様々な包装形態があるので、工場で製造しているアイテムにふさわしい包装形態を入力しましょう。

⑥    性状および特性

HACCPの製品説明書における製品の性状及び特性については、安全性や保存性に影響するような製品特性について記載します。pH・糖度・水分活性等の情報も必要に応じて加えてください。

⑦    流通条件

HACCPの製品説明書における流通条件については、温度や照度などの商品が流通される条件についても記載します。流通条件の記載があることで、流通過程で商品を保管する際に適切な取り扱い方法が分かる為です。荷受工程でも原材料の保管条件や流通条件が明確になっていた方が扱いやすいです。

⑧    加工処理法(調理法)

HACCPの製品説明書における加工処理法については、喫食時の調理条件について記入します。例えばゼラチンなどでスープを固めた様な商品であれば、電子レンジで70℃以上に加熱しないとゼラチンが溶けてスープとならずに商品として成り立たなくなります。その様な場合には、製品説明書の加工処理法欄にその条件を記入します。

⑨    製品の規格

製品の規格では、製品の重量や一般生菌数などの衛生条件について記入します。原材料の影響などにより、設計した商品が元々生菌数の高いものであった場合は、消費期限まで持たないこともあります。しっかり消費期限まで品質を維持するために、一般生菌数や大腸菌群規格を測定・入力しておきましょう。製品規格は大抵の場合、商品開発段階で分析や細菌検査に入れてデータを取るのが一般的です。また、取引先から入手できる原材料や容器包装の原材料規格書を活用することも衛生管理上おすすめです。特に別添の小袋のスープなど、購入した原材料をそのまま商品に使用するものについては必ず原材料規格書を入手し、必要な規格が網羅されているかどうかをチェックしておきましょう。

⑩    消費期限または賞味期限

安全性に配慮するために大事な項目である消費期限または賞味期限について記載します。

⑪    喫食または利用方法

喫食または利用方法では、商品がどのようにして消費者に消費されるのかを明記しましょう。加工処理法と重なりますが、具体的にはその商品の食べ方を記載すれば問題ありません。

⑫    表示上の指示

表示上の指示では開封後の保存期限や保存条件を明記します。この記述がないと消費者が開封後の取り扱い方法が分からず、開封後も開封前と同じだけ商品が持つと勘違いしてしまい、最悪の場合食中毒に繋がる可能性もあります。必ず開封後の管理条件と注意事項を明記しておきましょう。

⑬    販売等の対象とする消費者層

販売などの対象とする消費者層では、完成した商品を口に入れるのは主に誰なのかを記載します。対象とする消費者層は、一般消費者・入院患者・乳幼児など、特性や年代をわかる範囲で詳しく書きましょう。対象が誰なのかによって、工場内でより厳しい安全確保が必要になるケースがあります。

HACCPに製品説明書が必要になる理由は?

食事風景

HACCPに製品説明書が必用になる理由は以下の理由があります。

・12手順のうちの1つである

・消費者が調理方法など、商品の取り扱い方法を把握できる

・消費者が商品の情報を把握することが出来る

以下で解説していきます。

12手順のうちの1つである

HACCPは組織全体で導入することが前提となりますが、導入手順をまとめたのが7原則12手順です。導入手順の中の製品説明書に関係する手順は、手順2の製品説明書の作成と手順3の使用用途・対象者の確認が該当します。よって製品説明書の作成はHACCP構築時に必要な手順になります。

消費者が調理方法など、商品の取り扱い方法を把握できる。

製品説明書があることで、消費者が調理方法など商品の取り扱い方法を把握できるというメリットがあります。商品にはそのまま食べられるものと電子レンジなどでの加熱調理が必要なもの、種などの硬質物を含むもの、湯を入れて戻す必要のあるものなどがあります。製品説明書があれば消費者は商品の正しい食べ方を把握できますし、怪我をすることもないのです。

消費者が商品の情報を把握することが出来る

製品説明書があることで、消費者は自分が食べられるものかどうかを判断することが出来ます。商品情報はアレルギー疾患を持つ消費者や、免疫力が低い消費者には重要な判断材料です。例えばそばアレルギーを持つ消費者であれば、製品説明書の原材料表示を確認することで商品にそばアレルゲンが入っているか否かを確認できます。また消費者の年齢と免疫力の違いの観点からも注意喚起が必要な例もあり、はちみつを1歳未満の乳幼児位に与えてはいけないのがその例です。これは1歳未満の乳幼児は腸内環境がまだ整っておらず、ボツリヌス菌に対して耐性がないからです。このように同じ食品でも年齢によって食べられるか否かの基準があるので、注意喚起として製品説明書は非常に役立ちます。

製品説明書の作成手順

調理風景

HACCPにおける製品説明書の作成手順は、大きく分けて以下の2段階があります。

・HACCPの危害要因的な視点

・喫食、使用用途を明確にする視点

HACCPの危害要因的な視点

まず最初の手順として、製品説明書を危害要因的な視点から作成することです。商品の仕様や特性を書き出してしておくことで、商品の衛生的な取り扱いについて注意するポイントが明確になります。例えば商品の危害要因が分かることで、流通条件に関する注意点やアレルゲンのコンタミネーション(以下略:コンタミ)についての対策が打てるようになります。

具体的な例を解説すると、流通温度が挙げられます。製品説明書の流通条件に冷蔵と記載されている商品であれば、商品の製造途中の仕掛品も当然冷蔵でなくてはなりません。またアレルゲンのコンタミに関しても、商品に記載されている以外のアレルゲン物質を含むのであれば、ラインを分けて製造する等の対策を打つ必要があります。後に危害要因の検討を行うためにも、原材料は口にするもの以外のすべての物品をリストアップするのもポイントです。例えばカマボコであれば、原材料の水や氷、加工助剤、カマボコの下に敷いてある板なども含まれます。

喫食、使用用途を明確にする視点

次の手順として製品説明書を喫食、使用用途を確認する視点から作成することです。つまりどのように喫食、使用されるのかを明確にすることです。例えば電子レンジ加熱が前提の商品であればその旨を記載したり、商品の中に添付されているドレッシングをかけて食べる商品の場合はその旨を記載するということです。

以上の2段階で製品説明書を作成すると、工場で製造する段階で注意すべき点と、消費者に対して注意喚起する点が明らかになります。

製品説明書の具体例・サンプル

実際に製品説明書のサンプルを紹介します。取り扱う商品の種類や形態は組織によって異なるので、2パターン紹介します。表1は、電子レンジパスタの製品説明書例です。

表1.電子レンジパスタ製品説明書例
表1.電子レンジパスタ製品説明書例

表1では13項目に分類しているものですが、9項目程度に絞って商品説明書を作成しているものもあります。以下の表2.冷凍カニクリームコロッケの製品説明書例がその例です。

表2.冷凍カニクリームコロッケの製品説明書例
表2.冷凍カニクリームコロッケの製品説明書例

表2のように、アレルゲン情報を原材料の部分ではなく、製品の特性の箇所に書き込んだり、製品の特性の細菌検査項目を充実させる場合もあります。自組織が取得するHACCPの様式に合わせて考えてみてください。

まとめ

今回は製品説明書について解説させて頂きました

製品説明書は商品の設計図になるもので、HACCPの手順にも登場するものです。テイクアウト商品を取り扱う洋菓子店でも商品に消費期限や注意事項などが記載されたラベルを貼り付けると思いますが、製品説明書に記載する情報も基本的な考え方は一緒になります。製品説明書作成時には消費者が欲しい情報が網羅できているのか今一度確認しながら作成しましょう。

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この記事を書いたライター
久坂精一

品質管理として社内の様々な事業部のISO22000、HACCP取得に向けて取り組みをしてきました。
現在は商品開発を担当。
趣味は学生の頃から継続しているマラソンで、2時間30分台が目標です。

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